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朝の通知が「71％」を告げた。高市内閣の発足直後に実施された緊急の全国世論調査で、支持が大きく先行する結果が示された。全体像はまだ荒いが、初動の勢いとしては異例の高さで、政権交代時の空気の変化を物語る。年代や地域の内訳は順次明らかになる見通しだが、若い層の熱量が全体を押し上げている構図が浮かぶ。
「71％」が示す立ち上がり
2025年10月23日、NNNと読売新聞の緊急世論調査で高市内閣の支持率が71％と報じられた。政権の船出に伴う「ハネムーン効果」を勘案しても高い数字で、内閣発足直後の期待が一気に可視化したと映る。前政権期の評価や停滞感からの振り戻しが生じ、政策の選択肢が切り替わった効果も重なったとみられる。
速報ベースの緊急調査は設計や設問が簡素になりがちで、細かな態度変容までは映し切れない。それでも「賛否の分水嶺」を一時的に押し広げる熱が社会にあるかどうかは示す。今回の71％はその熱の存在を指し示し、支持の裾野が幅広い可能性を告げる。次に待つのは、定例調査での追認と反映である。
対比として、10月11〜12日に行われた別機関の全国意識調査では「高市内閣（仮）」への支持が5割超とされていた。内閣発足前の期待値が発足後に跳ね、71％という初速に結びついた流れがうかがえる。発足という具体の出来事が、潜在的な支持を表面化させたと読むのが自然だ。
若い支持は「兆し」から「手応え」へ
現時点で確認されている範囲では、若年層の反応が全体を牽引している可能性がある。電話とネットを組み合わせた直近の意識調査では、携帯電話の導入で20〜50代の回答比率が高まり、従来よりも若い世代の動きが捉えやすくなった。方法論の更新が、変化の芽を逃さない下地を整えつつある。
若い層の支持が先導する局面は、第2次安倍内閣の初期にも指摘された。経済や安全保障で「決め切る姿勢」を評価する心理が、世代横断の期待にまで波及した経緯がある。今回も、政策転換の明瞭さや意思決定のスピード感が手がかりになり、SNSや動画経由の情報接触が波及を加速させているとみられる。
一方で、若年層の支持は流動性が高い。就労、物価、教育、デジタルといった生活直結の政策評価が早く、期待が確信へ変わるかは初期の実行力に左右される。人事や初回の政策パッケージ、物価対策の体感速度が支持の粘りに直結する。次の通常調査で年代別にどう折り返すかが、持続性の試金石になる。
何が支持を押し上げたのか
支持の理由は「政策への期待」「指導力」「他に適任不在」といった要素が典型で、緊急調査でも近い構図がにじむ。内閣発足は政策の再設計を示す舞台であり、物価・賃上げ・成長投資・国土強靱化・防衛といった柱が一体で語られるほど、期待は一本の線として受け止められやすい。物語性のある政策パッケージが効く局面だ。
また、政治の「段取り」も支持の形成に影響する。初閣議のタイムライン、人事の整合性、与野党協議の進め方、国会での答弁の腰の据わり方。こうした初動の一挙手一投足が、信頼の総量を増やすか、慎重論を呼ぶかを分ける。現時点では前者が勝っているが、予算編成や税制論議での現実解が鍵を握る。
そして忘れてはならないのが、初速の高さは試合開始のホイッスルにすぎないという点だ。緊急調査は風を映す鏡で、持久力の有無までは語らない。次の節目は所信表明と初の大型経済対策の具体化である。言葉が数字に、数字が生活に届くまでの時間をどう短縮するか。ここからの数週間が本当の勝負どころだ。
