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17日、泊村議会の全員協議会で高橋鉄徳村長が、北海道電力・泊原発3号機の再稼働に村として同意する意向を示した。事業者と事故時の連携や情報提供を取り決める安全協定を結ぶ4町村の首長では、同意の意思表示が初めてとされる。10月末に村議会が早期再稼働への同意方針を決めており、地元手続きは次の局面へ進んだ。
村長が示した一歩
全員協議会の場で、村長は「村として同意する意向」を明確に口にした。10月31日、泊村議会は早期再稼働への同意を全会一致で採択している。議会が先に踏み出し、首長がそれに歩調を合わせた形だ。議会と首長の意思が重なったことで、村内での意思決定は一本の線になりつつある。
この意思表示は、安全協定に基づく「地元」の中核が動いたことを意味する。安全協定は、平時の情報共有から緊急時の通報・避難手順まで、事業者と自治体の役割を定める枠組みだ。首長の同意は法的な再稼働の要件ではないが、事故後の運用では欠かせない政治的合意として機能してきた。
周辺の3町でも議会での審議や意見集約が続く。村長の一言は、慎重に進む他自治体の議論にも波紋を広げるだろう。地域の生活と雇用、災害時の安全、そして電力の安定供給。複数の価値が交差する中で、目の前の一歩が積み重なり、最終判断の輪郭がゆっくりと立ち上がっていく。
地元同意と知事判断
地元同意は法律に規定のない慣行だが、福島の事故以降は事実上の前提となってきた。今回は道と立地4町村が対象となり、各議会の議決や首長の意思表示が積み上がる。範囲や手続きの明確さが問われる一方で、透明な説明と合意の可視化が、地域社会の納得を支える土台になる。
鈴木直道知事は、関係自治体や道議会の意見を聴き、総合的に判断する姿勢を崩していない。審査「適合」後、道内各地で住民説明会が重ねられ、避難計画や津波・地震対策、停電時の対応など具体論の確認が進んできた。首長の動きが可視化されるなか、道の最終判断の重みはいっそう増している。
同意の是非は、安全対策の技術論だけでは収まらない。観光や一次産業、送配電の安定、再エネとの関係、財政支援の行方。暮らしの実感に近い論点が多いからこそ、賛否の違いを尊重しながら、判断の前提条件を丁寧に共有し続けることが求められる。
2027年を見据える現場
原子力規制委員会は7月30日、3号機の安全審査に正式合格を出した。事業者は防潮堤などの工事を進め、2027年の早い時期の再稼働を目標に掲げる。審査長期化の背景には、敷地内断層評価や津波想定の見直しなど、自然ハザードに対する基準の厳格化がある。技術的ハードルに区切りが付いた今、社会的ハードルに焦点が移る。
事業者は、再稼働後に規制料金で家庭向け約11%の値下げ、自由料金全体で平均約7%の値下げ見通しを示している。燃料費の低減効果や経営効率化を織り込んだ試算だ。電気料金は家計と企業活動の基盤を支える。値下げ期待は理解の追い風になりうるが、説明は安全対策と一体で語られるべきだ。
一方で、避難計画の実効性や使用済み燃料の管理など、制度と運用の課題は残る。再エネの導入拡大と系統の安定をどう両立させるかという全道的なテーマもある。地域が背負うリスクと、電力の安定や料金の下振れといった便益。その釣り合いを見定める作業は、結論を急がず、積み重ねの記録を残すほど確かなものになる。