竹中土木と人機一体が遠隔据付ロボットを試作、取り付け時間を約1/4に短縮

人機一体と竹中土木が1トン級据付ロボ開発 工程を根本から再設計

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1トン級の鋼製ブラケットを遠隔で据え付ける試作ロボットが動き出した。人機一体(滋賀県草津市)と竹中土木(東京都江東区)が共同で開発し、従来の人力中心の工程を見直す装置だ。取り付け時間を約1/4に短縮し、高所での危険と段取りの負担を減らす。両社は実工事での検証を重ね、2026年3月末までの実証開始を目指す。

1トンを支え、ミリ単位で据え付ける仕組み

心臓部は6本の電動シリンダーで台座を支えるスチュワートプラットフォーム(6軸で微小な位置や傾きを制御する構造)だ。台上に電磁石の把持機構とナット仮締結用のロボットアームを載せ、重量物を保持したまま前後・左右・上下の微調整を行える。

橋の耐震補強で使う鋼製ブラケットは、水平力分担構造や落橋防止装置(地震時に桁の落下を防ぐ装置)の基礎となる部材で、およそ1トンの重量になる。ボルト穴への通しや面合わせは数ミリの誤差も許されず、高所での人手作業は負荷と危険が大きかった。ロボットはこの“据え付けの壁”に切り込む。

制御には人機一体が磨いてきた力学ベースの位置決め技術を用いる。操作者は遠隔から操作盤で姿勢を指示し、台座がミリ単位で追従する。把持は電磁石で確実に保持し、アームがナットを仮締結。力作業は機械が受け持ち、作業者は判断と確認に集中できる。

遠隔操作で段取りを変える

工程はシンプルだ。クレーンでロボットを所定の位置へ近づけ、カメラ映像とセンサーを頼りに遠隔で据え付け位置を詰める。次にアームが仮締結を行い、把持の電磁石を解除。最後の本締結だけを人が行う。危険域への滞在時間が短くなり、手順の迷いも減る。

従来は高所作業車上で数人が荷を支え、掛け声を合わせて位置を追い込んだ。わずかなズレでやり直すこともあった。ロボットは保持と微調整を一体で担い、段取り替えの回数を減らす。想定では取り付け時間を約1/4に短縮し、同じ時間で扱える本数が増える。

人が離れて操れる利点は、風や揺れへの対処にもある。台座は6軸で姿勢を補正でき、外乱に対して素早く追従する。高所での長時間作業を避けられることで、熱中症や墜落のリスクも抑えられる。安全と生産性を同時に引き上げる設計思想がにじむ。

実証とこれから

両社は高速道路などの橋での適用を視野に、共同の実証実験を準備している。現場の制約や吊り荷の条件を洗い出し、把持機構や操作系を磨く方針だ。開始目標は2026年3月末。耐震補強の現場で最も時間がかかる据え付け工程に、遠隔・省人の標準を通す狙いがある。

建設分野では、重作業の遠隔化や自動化が広がりつつある。橋脚の表面処理や火薬装填の遠隔化など、危険を伴う工程でロボットの導入が進む。ブラケットの据え付けは、重量物と精度が両立する難所だ。ここをロボットで切り開く意味は、工程全体の見通しを良くする点にある。

今回の試作は、建設会社とロボット開発企業が役割を重ねる共同開発でもある。施工ノウハウと制御技術を行き来させることで、機械は現場語を覚え、現場は機械の癖を知る。調整の往復が減ったとき、装置は道具から仲間へと近づく。

現場に置かれた金属の台座が、次の作業に静かに備えている。

参考・出典

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