元Metaのヤン・ルカン創業AMI、10億3000万ドル調達で基盤AI競争に加速

ルカン氏のAMIが10億ドル調達 次世代AI「世界モデル」開発へ

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生成AIの資金が大規模言語モデル(LLM)に集中するなか、視覚や行動計画を軸に「世界モデル」を育てる別路線に巨額資金が流れ込んだ。Meta・プラットフォームズの元チーフAIサイエンティスト、ヤン・ルカン氏が創業したAdvanced Machine Intelligence(AMI)は3月10日、10億3000万ドルを調達したと発表した。調達前の企業価値は35億ドルで、次世代の基盤AIを巡る資金競争の広がりを映している。

巨額資金 世界モデルに照準

ロイターによると、AMIは推論、計画、そして「世界モデル」を軸にしたAIシステムの商用化を目指している。資金調達はCathay Innovation、Greycroft、Hiro Capital、HV Capital、Bezos Expeditionsなどが共同で主導した。創業間もない段階で10億ドルを超える資金を集めたことで、研究開発だけでなく人材確保や計算資源の確保でも一気に前へ出る構図になった。

ルカン氏は、現在主流のLLMだけでは人間並みの推論や自律性に届かないと繰り返し主張してきた。今回の調達は、その問題意識に投資家が大きく賭けた形だ。言語中心の生成AIとは異なり、現実世界の因果関係や物体の動き、行動結果をより深く扱える仕組みを築けるかが、AMIの中核テーマになる。

TechCrunchは、AMIが言語データだけでなく現実に根ざした学習を重視し、世界を理解するAIの構築を掲げていると報じた。チャットや要約を超え、ロボティクスや医療など判断の誤りが直接コストや安全性に跳ね返る分野で差別化を狙う余地がある。

パリ拠点 商用化へ布石

TechCrunchによれば、AMIはアレクサンドル・ルブラン氏をCEOに迎えた。医療AI企業Nablaとの連携も打ち出しており、基礎研究の優位性を実運用の領域へ早めに接続する構えだ。研究者主導の新興企業が資金だけでなく事業化の体制を同時に整え始めた点も、市場の関心を集める。

年初のル・モンド報道では、AMIはパリに本拠を置く構想で、グローバル企業として立ち上げる方針が伝えられていた。欧州発の基盤AI企業として大型資金を呼び込めば、米巨大テックが主導してきた開発競争に別の拠点と思想を持ち込む意味合いも強まる。

巨額調達は研究の自由度を高める一方で、AMIには理論の優位を製品性能と収益機会の両面で示す責任も生む。言語モデルの延長では扱いにくい現実世界の理解をどこまで事業に結び付けられるかによって、AI投資の重心が対話中心から認識と行動の領域へ移るかどうかが見えてくる。

参考・出典

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