ニュージーランド海軍補給艦アオテアロアが台湾海峡を通過 東アジア展開を示す

NZ最大補給艦アオテアロア、台湾海峡入り 中国機が模擬攻撃か

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低くこもった汽笛が鳴り、灰色の船体が霧のような湿気の中を進む。甲板では乗組員が双眼鏡で前方を確認し、レーダー室の画面には周囲を行き交う商船や軍用機の軌跡がびっしりと映る。その細い海域を今月初め、ニュージーランド海軍最大の補給艦「アオテアロア」が台湾海峡として知られる水路を抜けた。遠い南太平洋の小国の艦艇が、東アジアの最前線に姿を現した意味は小さくない。

前線に出た補給艦が映す海峡の緊張

今回の航行は、11月5日に南シナ海から北東アジアへ向かう途上で台湾海峡を通過したもので、ジュディス・コリンズ国防相がロイター通信に認めた。 補給艦アオテアロアは、ニュージーランド海軍が保有する中で最大の艦艇で、主な任務は洋上で他国艦艇を含む艦隊へ燃料や物資を送り届けることだ。重火器をほとんど備えない支援艦が、緊張が高まる海峡の真ん中で目立つ存在になった。

関係筋によれば、航行中には中国軍の艦艇や航空機がアオテアロアを追尾し、戦闘機による模擬攻撃も行われたとされる。 コリンズ氏は中国側の動きにはコメントせず、国際法に基づく「航行の自由」の権利を行使したとだけ説明した。中国国防省は、コメントを求める照会に反応していない。一方、台湾国防部は、自国軍が地域のあらゆる軍事行動を把握し、必要な対応をとっていると述べるにとどめ、詳細への言及は避けた。

南北を結ぶ台湾海峡は、世界のコンテナ船の約半数が通過するとされる大動脈であり、米国や台湾は国際海峡とみなす一方、中国は自国が主権と管轄権を有すると主張してきた。 その狭間を、平時には燃料や食料を運ぶに過ぎない補給艦が通り抜けた事実は、前線の戦闘艦だけでなく、それを支える後方支援の船までがリスクを負う段階に入ったことを象徴している。中国軍機の模擬攻撃という情報は、そうした境界線の曖昧さをより際立たせる。

中堅国ニュージーランドが海峡を選ぶ理由

ニュージーランドの艦艇が台湾海峡通過を公表したのは、昨年9月にオーストラリア海軍とともに航行して以来で、2017年以降では2度目だ。 小規模な海軍にとって東アジアへの展開は負担が大きいが、それでも敢えて実施するのは、国連海洋法条約に基づく「航行の自由」を具体的な行動で支えたいとの判断があるからだ。台湾と正式な国交はないものの、ニュージーランドは自由貿易協定や事実上の代表部を通じて「価値を共有する民主的パートナー」と位置づけている。

アオテアロアも、そうした国際任務を前提に建造された。韓国・蔚山の造船所で造られ、全長約173m、排水量約2万6000tとニュージーランド海軍で最大の艦である。 南極海での補給に耐える強化船体や大型燃料タンク、ヘリコプター運用設備を備え、多国籍艦隊への長時間の補給作業をこなす「動く基地」として設計されている。巨額の建造費が投じられた背景には、南太平洋の島嶼国支援から中東や極域まで、幅広い任務を1隻に背負わせる発想がある。

昨年はハワイ沖の多国間演習や朝鮮半島周辺の制裁監視任務で米軍などに燃料を補給し、今年も北朝鮮制裁を支える活動の一環として日本周辺に展開する計画が示されていた。 そうした流れの中で行われた台湾海峡通過は、単独の象徴行為というより、国連安保理決議の履行や同盟・友好国の作戦を後方から支える「ロジスティクス外交」の一部といえる。米国やカナダ、英国の艦艇が定期的に台湾海峡を通るなか、距離のあるニュージーランドまでが同じ海域に姿を見せたことで、この狭い水路の安定がインド太平洋全体の公共財になりつつある現実がにじむ。

台湾や日本から見れば、遠くの友軍の1隻が海峡を通り過ぎただけにも映るが、そのたびに積み上がる選択と覚悟が、小国の補給艦を静かに地域秩序の一部へと組み込んでいき、海の向こうの決断を身近な問題へ近づけている。

参考・出典

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