米AmazonのAWSとGoogle Cloudが専用線で直結、共同サービス開始

AWSとGoogle Cloudが専用線接続を共同提供 マルチクラウド時代の新基盤

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

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アマゾンのクラウド部門AWSとグーグルのGoogle Cloudは現地時間11月30日、両社のクラウドを専用線で高速接続できるマルチクラウド・ネットワーキング・サービスを共同で立ち上げた。信頼性の高い接続需要が高まるなか、わずかな障害が世界中のサービス停止につながる現場の不安にどう応えるのかが問われている。

利用者にとっての「雲の道」はどう変わるか

新サービスでは、AWSの「Interconnect-multicloud」とGoogle Cloudの「Cross-Cloud Interconnect」を組み合わせ、両社のクラウド間にプライベートな高速回線を数分で開設できる。従来は通信事業者との調整や設定作業に数週間かかることも多く、マルチクラウド化を進める企業にとって大きなハードルとなっていた。

例えば、ECサイトの基幹システムをAWSに、AI分析をGoogle Cloudに置く企業は少なくない。両者を専用線で直結できれば、遅延を抑えつつ障害時の切り替えも素早く行える。システム担当者にとっては、複数の回線事業者や機器を組み合わせて冗長構成を組む手間が減り、設計や運用をクラウド側に寄せられるメリットがある。

背景には、クラウド障害のリスクがある。10月20日にはAWSで大規模な障害が発生し、SNSやオンライン決済など世界中のサービスが一時停止した。米分析会社の試算では、米企業の経済的損失は5億〜6億5000万ドルに達したとされ、単一のクラウドに依存する怖さを改めて印象づけた。こうした経験が、複数クラウドを前提とした接続基盤への関心を一段と高めている。

アマゾンとグーグルが手を組む背景

クラウド市場では、アマゾンが依然として最大手だ。2025年7〜9月期のクラウド関連売上は330億ドル超とされ、グーグルの約151億ドルを大きく引き離している。一方で、マイクロソフトのAzureも急成長しており、企業は複数のクラウドを組み合わせる「マルチクラウド戦略」を取るのが一般的になった。今回の連携は、そうした顧客を自社のエコシステムにつなぎとめる狙いもある。

競争環境も変化している。欧州連合(EU)では、クラウド市場での競争制限の有無を巡り、マイクロソフトやAWSの事業慣行について欧州委員会が調査を進めているとロイター通信は伝える。グーグルはかつてマイクロソフトを提訴していたが、調査開始後に苦情を取り下げ、「ユーザーの選択肢を広げるべきだ」との立場は崩していない。アマゾンとグーグルが相互接続を打ち出すことは、こうした「開かれたクラウド」を求める声に応えるメッセージにもなる。

加えて、生成AIの普及でトラフィックや計算量は急増している。クラウド事業者は海底ケーブルやデータセンターへの投資を続けざるを得ず、接続インフラを共同で整えることで、その負担を分散しつつ、新たな需要を囲い込もうとしている側面もある。今回の連携は、競争と協調を織り交ぜながらインフラを拡張する、現在のクラウドビジネスの典型例といえる。

広がるマルチクラウド市場と今後の分岐点

マルチクラウド・ネットワーキングは今後の成長市場とも言われる。調査会社の試算では、この分野の世界市場は2023年時点で約298億ドルだが、2032年には1,246億ドル規模に拡大し、年平均17%超で成長すると予測されている。複数クラウド間を安全かつ低遅延で結ぶ仕組みは、金融や製造、行政など、止められないシステムを抱える組織ほど重要度が増している。

日本企業にとっても、今回の連携は選択肢を広げる一方で、少数の巨大クラウドへの依存を深めかねない。複数クラウドを使うほど設計や監視は複雑になり、運用コストも増すからだ。規制当局が相互接続やデータ移転のルールを整えるのか、市場競争に委ねるのかによって、企業がどこまで主導権を手放すのかという判断も変わってくる。

将来、マイクロソフトや他のクラウド事業者も同様の相互接続を広げれば、利用者は複数クラウド間をより自由に行き来できる半面、障害やサイバー攻撃が連鎖するリスクも増す可能性がある。巨大クラウド同士の協調が進むなか、利便性の裏でどこまで主導権を手放すかを見極める視点が、利用者と規制側の双方に求められている。

参考・出典

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