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秋田県東成瀬村の住宅地近くで、24日午前、男女4人がクマに襲われ重傷とみられるけがを負った。畑作業中の2人を助けに向かった住民も被害に遭い、ドクターヘリが出動した。生活圏の至近で起きた攻撃は、地域の警戒と備えの在り方を問い直す出来事である。
住宅地のすぐそばで何が起きたか
正午前の集落にサイレンが響き、通りには心配そうに外をうかがう人影がのびた。現場は村役場から西へ約200メートル、永伝寺近くの住宅と畑が入り組む一角である。2025年10月24日 11:10ごろに通報が入り、11:15ごろとする情報もある。
消防には「クマに襲われている人がいる」との連絡。現時点で確認されている範囲では、畑で作業していた2人が襲われ、助けに向かった2人も巻き込まれたとみられる。男性3人、女性1人が頭部や顔に傷を負い、4人とも重傷との報道が広がる。
警察と消防が駆けつけ、2人はドクターヘリで、残る2人は救急車で病院に搬送された。午後1時すぎには、現場付近で見つかったクマ1頭にハンターが発砲し、駆除が行われた。人と野生の境が薄い生活圏での突発的な攻撃が浮かぶ。
相次ぐクマ被害、背景に何があるのか
秋田県内のクマによる人身被害は今年すでに48人に達していると報じられている。山里だけでなく市街地近くでも遭遇例が増え、地域の暮らしに影が差す。今回も寺の近くや道路脇の畑など、日常の延長線上で起きたことが重い。
県は「ツキノワグマ出没警報」を継続発令中で、広範囲での出没が続く状況にある。冬眠前で活動が活発化する時期でもあり、餌を求めて人里に下りやすい環境があるとみられる。警戒の段階を上げる判断が地域全体の課題となっている。
一部報道では現場が役場から数百メートルとされ、行政の中枢に近い生活圏で起きた事案だと映る。見通しの悪い藪や、果樹や作物の匂いが残る畑が点在する土地柄も、接近を許しやすい。日常の風景が一転する怖さが広がっている。
いま必要な行動
いま必要なのは、無理に追い払わず距離をとる行動である。見かけても走って近づかず、背を向けて逃げず、ゆっくり後退する。早朝や夕方の畑仕事や散歩は複数人で行い、鈴やラジオなど音の出るものを携行する。生ごみや作物の残さは屋外に残さない。
万一、被害や目撃があれば110番や119番に通報し、自治体や警察が発信する出没情報を確認する。地域で見回りや草刈りを進め、子どもの通学路や高齢者の生活動線を点でなく面で守る。暮らしを止めずに守る知恵の共有が急がれる。
