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ウクライナ保安庁(SBU)は2025年12月18日、ロシアが占領するクリミアの軍用飛行場「ベルべク」を長距離ドローンで夜間攻撃し、地対空ミサイルS-400の関連レーダーやMiG-31迎撃機を損傷させたと発表した。さらに12月20日には、同じ飛行場でSu-27戦闘機2機と管制塔も標的にしたとして、航空運用の要所を揺さぶる姿勢を強めている。
「飛行機」だけでなく「目」と「手」を奪う狙い
SBUの発表では、12月17日夜から18日未明にかけての攻撃で、MiG-31のほか複数の防空装備を破壊、または損傷させたという。具体的には、短距離防空システム「Pantsir-S2」や、長距離レーダー「Nebo-SVU」などを挙げ、被害は「数億ドル規模」と主張した。戦時下で戦果の独立検証は難しく、数字や損害の範囲は今後も揺れうる。
ただ、狙いが「滑走路上の機体」だけにとどまらない点は見逃しにくい。レーダーはひとことで言うと、防空の「目」だ。そこを傷つければ、迎撃ミサイルの運用や戦闘機の離発着の安全確認まで含めて、拠点全体の動きが鈍る。SBUが管制塔への打撃にも言及したのは、飛行場を“使いにくくする”発想の延長線にある。
繰り返される攻撃が突きつける、守り方の再計算
12月20日の発表では、Su-27 2機の損傷に加え、管制塔の被害で飛行の管理が難しくなる可能性も示された。仮に一部が誇張だとしても、同じ拠点が短期間に繰り返し狙われること自体が、守備側に「どこまでを守り、どこを諦めるか」という再計算を迫る。機体を後方へ分散させるのか、レーダーや対ドローン防護を厚くするのか。どれもコストと隙の交換になる。
この種の攻撃は、前線の押し引きとは別の場所で“戦争の値段”を吊り上げる。比較的安価な無人機で、高価なレーダーや戦闘機を脅かせるなら、損失の重さは数字以上に心理へ響く。SBUは作戦の継続を示唆しており、ロシア側がどう防空網と航空戦力の配置を見直すかが、次の局面の焦点になりそうだ。
参考・出典
- Ukraine's Security Service hits two Russian Su-27 jets at Belbek airfield for second time in few days – photo
- Ukrainian drones hit 2 Russian Su-27 jets in Crimea, intelligence agency says
- Long-range drones hit Russian equipment at Belbek airfield worth hundreds of millions of dollars – SBU
- Украинские дроны нанесли мощный удар по российским системам ПВО на военном аэродроме в Крыму | Евронью́с
- Aircraft, SAM Systems and radars: “Alpha” fighters strike Russian equipment worth hundreds of millions of dollars at Belbek Airfield – ArmyInform
