JR東海ら4者、窓壁にカルコパイライト設置し空き面を発電化

「窓が発電所に」―JR東海ら、カルコパイライト太陽電池の実証開始

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ラボの窓際に貼られたフィルムが、人の出入りに合わせて微かにたわむ。JR東海、PXP、日揮、相模原市が共同で、リニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)に近い「FUN+TECH LABO」に次世代型太陽電池「カルコパイライト」を設置し、実証を始めた。県の補助事業に採択された取り組みで、窓や壁といった従来の空き面を発電に生かす道を探る。

窓や壁で発電、街区に広がる薄膜の実験

実証の舞台は、相模原市緑区のイノベーション拠点「FUN+TECH LABO」だ。通行者の視線に触れる窓や壁にフィルム状の発電体を設置し、日々の運用の中で発電量や耐久性、見え方を確かめる。ガラス基板に比べて薄く軽い素材を用いるため、建物の意匠を大きく変えずに実装でき、既存の壁面でも荷重の制約を抑えやすい。

カルコパイライトは、半導体層が薄い積層構造で構成される薄膜系の太陽電池である。曲げに強く、割れにくい特性を持つことから、曲面や大面積の面材にも展開しやすい。今回の実証では、建物の開口部や垂直面といった設置条件の厳しい場所に置いて、発電効率のばらつきや配線の最適化など、屋根上中心の従来設備とは異なる設計課題を洗い出す狙いがある。

役割分担は明確だ。PXPがモジュールの設計・製造とデータ解析を担い、日揮が施工やシステム取りまとめを進める。JR東海は拠点の提供と普及啓発を、相模原市は地域の連携や情報発信を支える。現場の導線に沿って発電面が現れることで、来訪者が自然に技術を目にし、対話が生まれる構図を描く。

県の後押しと「見える化」が背中を押す

神奈川県は次世代型太陽電池の早期普及を掲げ、県民や事業者が実物に触れて理解を深める「見える化」を進めている。県内の実証案件を採択し、街のなかで動く実装例を増やすことで、設置のハードルや保守の手順といった実務の勘所を共有する取り組みである。制度の後押しが、研究室の外へ出るスピードを高めている。

今回、PXPと日揮、JR東海、相模原市が組む本実証は、県の「次世代型太陽電池普及促進事業費補助金」の対象に選ばれた。採択の公表は2025年7月18日 14:00で、窓や壁面といった従来は難しかった場所での発電量や施工性の検証がテーマに据えられている。採択と同時に拠点での設置が進み、実環境下でのデータ取得が始まった。

舞台がリニア駅予定地に隣接することにも意味がある。新しい交通拠点の周辺で、エネルギーの作り方も次の形へと移る。その変化を来訪者が日常的に目にすることで、設備が「特別な装置」から「街の部品」へと移り変わっていく。普及は制度だけでなく、見慣れることからも加速する。

施工と検証の要点、拠点が蓄えるノウハウ

施工では既存の開口部や外装の納まりを崩さないことが肝心だ。ケーブルの取り回し、目地やサッシとの取り合い、メンテナンス時の着脱など、建築的な配慮と電気安全の両立が求められる。軽量なモジュールで荷重は抑えられるが、風荷重や外装材との相性は個別に検討する必要がある。日常の運用目線で確かめることが、後の量産適用を近づける。

検証の焦点は、方位や影の影響、季節差による出力変動だ。縦長の窓と横長の壁では日射条件が異なり、配線やパワコンの構成も変わってくる。PXPは現場のデータを収集し、出力の平準化や保守負荷の低減策を探る。日揮は工程を整理し、実装の再現性を高める。得られた手順や数値は、他施設への横展開に資する知見となるはずだ。

JR東海が運営する拠点は、技術の実験場であると同時に、地域に開かれたショーケースでもある。人の流れの中に設置するからこそ、情報表示や安全動線の工夫が問われる。窓越しに見える発電面は、静かに街の電源の在り方を語る。足を止めた来訪者の視線が、次に広がる設置場所を思い描かせるかもしれない。

参考・出典

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