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東京湾からの潮風が西ホールに流れ込む。国内最大級の危機管理トレードショー「危機管理産業展2025」が2025年10月1日、東京ビッグサイトで始まった。防災・減災からサイバーまで、社会の脆弱性に迫る技術と知見が一堂に集う。会期は10月3日までである。
今年のRISCONが映す「現場の課題」
通路にはヘルメットとスーツが交差する。完全事前登録制の会場は、人波が流れながらも落ち着いた緊張感が漂う。展示は西1・2ホールで展開され、災害現場の初動から復旧、そして平時の備えまでを縦断する構成だ。現場から逆算した提案が目につく。
会場の軸は明快だ。防災・減災、BCP・事業リスク対策、セキュリティ、スマートセーフシティ、サイバーセキュリティソリューション、危機管理ドローン・ロボット、スタートアップゾーンが並ぶ。危機の分断を越え、部門横断での最適化を試す設計と映る。
背景には相次ぐ災害がある。2024年1月の能登半島地震の教訓が、自治体や企業の調達目線を確実に変えたとみられる。小規模でも運べる、止まらない、つながり続ける。短く強い要件が、製品開発の背骨になりつつある。
断水と停電の教訓、トイレと電力の備え
断水は生活を直撃する。会場では平時の保管から非常時の設置まで切れ目なく扱うトイレソリューションが並ぶ。マンホール接続型や可搬式、自己処理型など、運用前提の違いが一目で比較できる仕様だ。衛生と尊厳を同時に守る発想が広がっている。
電力も鍵だ。太陽光と蓄電、照明、通信を束ねた一体機器や、臨時拠点を素早く立ち上げる電源ユニットが目を引く。停電が長期化しても医療機器や通信を維持する設計が前提となった。誰に有利なのか。運用者にやさしい設計が選ばれている。
移動の課題も見逃せない。狭い路地や不整地を想定した小型車両、山間部のラストワンマイルを補う無人機の展示が相次ぐ。重量物の搬送や物資投下だけでなく、監視や地図作成まで担う。機動力とデータが一体化する流れだ。
サイバーとドローン、つながる危機管理
サイバーとフィジカルの線引きは薄れている。会場にはインフラ監視のAIや、認証・ゼロトラストを前提とした通信機器が並び、ドローンやセンサーのデータと有機的に結ぶ提案が出ている。断片知を束ね、判断を速める設計思想がにじむ。
行政と中小企業の連携も進む。東京都中小企業振興公社は、支援事業で育った都内中小の製品・サービス29社を紹介し、社会実装の一歩を後押しする。現場の声を吸い上げ、ニッチを埋める小さな技術が光る。規模より適合だ。
厳しさを増す国際情勢や災害の頻発が、備えの質を問い直している。本展は事前登録制で、会期は2025年10月1日から3日まで。現場の問いに答える道具はそろった。次は使い方だ。