米国土安保省、多様性抽選移民ビザ制度を一時停止

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2025.12.19

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米国土安全保障省（DHS）のクリスティ・ノーム長官は米東部時間2025年12月18日夜、米国市民権・移民局（USCIS）に対し、多様性抽選移民ビザ（DV）制度を一時停止するよう指示したと明らかにした。USCISの説明では、この制度は年最大5万件規模で、抽選を通じて米国への移民ビザ申請の機会を提供する。

「抽選に当たっても入口が動かない」不確実性が先に立つ

DVは一般に「グリーンカード抽選」とも呼ばれるが、当選は自動的な永住権付与ではなく、面接や審査を経て移民ビザを得るための“順番待ちの権利”に近い。一時停止がどの工程に及ぶのかが見えないままでは、応募予定者だけでなく、すでに選ばれて手続きを進めている人の計画にも影響が広がりうる。

制度の運用は米国務省（DOS）が担い、海外在住者は在外公館での手続きが中心になる。USCISは、当選時点で米国内に合法的に滞在している人が永住者へ切り替える「在留資格調整」を扱う立場だ。つまり停止は、海外と国内の双方にまたがる“手続きの流れ”をどこで止めるのかが焦点になる。

治安の論点と、法律で作られた制度の綱引き

背景には治安をめぐる政治判断がにじむ。Reutersによると、ノーム長官はXへの投稿で、大学での銃撃事件の容疑者がDV1を通じて永住権を得ていたとの主張を示し、制度停止の理由付けに用いた。APも、今回の停止が最近の事件を受けた措置だと伝えている。

一方でDVは議会が法律で設けた枠組みに基づく制度で、運用停止がどこまで認められるのかは別問題だ。国務省は2025年9月30日（米国時間）で2025年度分の抽選が終了したと案内しており、次年度以降の審査や、米国内での在留資格調整に波及する可能性が残る。停止が長期化すれば、司法判断を含む“次の争点”に移るとの見方も出ている。

「抽選に当たっても入口が動かない」不確実性が先に立つ

治安の論点と、法律で作られた制度の綱引き

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