国内通信会社のIP回線悪用で、海外から偽警察通話200万件

国内通信会社のIP回線悪用で、海外から偽警察通話200万件

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受話器の向こうで「警察ですが」と名乗る声に、思わず身構える人は多いだろう。ところが、その一部は海外からインターネット経由で送られた偽の声だった。国内の通信会社が提供したIP電話の1回線を足がかりに、2025年2〜3月だけで公的機関を装った通話が約200万件もばらまかれていたことが分かった。実際に被害に遭った人もおり、見えない通信網のほころびが、暮らしの足元を揺らしている。

公的機関をかたる電話、1回線から200万件

問題の回線を提供したのは、東証プライム上場の通信会社IPS(アイ・ピー・エス)の子会社だ。子会社は2025年2月、海外の通信業者と050番号のIP電話回線について契約し、その利用権が転売されて特殊詐欺グループの手に渡ったとみられている。警視庁などが通信記録を解析したところ、新宿警察署や大阪府警、最高検や中央省庁の代表番号になりすました大量の発信が確認された。偽の電話の一部では、金銭をだまし取られる被害も出ている。

IP電話は、音声をインターネットで送る仕組みで、設定しだいでは実際と異なる番号を画面に表示させることができる。この仕組みを利用しながらも、業界団体が示すような偽装番号の拒否や非通知化の設定が十分に入っていなかった疑いがある。警察庁は通信会社側の設定不備が悪用されたと判断し、近く再発防止策の徹底を要請する方針だ。総務省も原因の検証と対策を求める行政指導に動く構えを見せている。

広がる番号偽装と特殊詐欺、見えないリスク

この1回線を通じて確認された特殊詐欺の被害は少なくとも約10件で、判明しているだけでも被害額は数千万円に上るという。IPS側は11月20日、「想定外の悪用であり、設定の不備を重く受け止める」とコメントし、4月以降は実在番号を表示する発信ができないよう対策を講じたとしている。だが、今年1〜9月の特殊詐欺被害額(暫定値)は約965億円と、前年同期の約2.3倍にまで膨らみ、過去最悪の水準に達している。1本の回線が示した脆さは、統計に表れる急増と地続きにある。

番号偽装は今回に限った話ではない。独立行政法人情報処理推進機構の相談窓口には、サポート詐欺の画面から誘導された電話の折り返しが、実在の03番号を名乗ってかかってきたという事例が、2024年にも複数寄せられている。 被害を避けるには、警察署や官庁、金融機関を名乗る電話でも一度切って公式の連絡先を調べ、折り返すといった確認が欠かせない。通信事業者側には、国や業界団体の指針を前倒しで実装し、不審な発信を網の目でふるい落とす役割が求められている。

受話器から聞こえる声はいつもと同じでも、その背後にある回線のわずかな設定が社会全体の安全度を左右していることを、この事件は静かに映し出しているように見える一方で、私たち一人一人の警戒と確認の積み重ねもまた、その安全度を押し上げる力になりうる。

参考・出典

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