兵庫県で既設光ファイバー網を地震計化、神戸大が2026年度にも実証実験

通信網が地震計に変貌、神戸大などが兵庫で実証へ 被災地で新技術検証

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地下を走る光ファイバーが「地震計」になり得る時代が現実味を帯びてきた。神戸大学などの研究チームは、高速通信を支える既設の光ファイバー網で揺れを捉える実証実験を、阪神・淡路大震災の被災地を含む兵庫県で2026年度にも始める計画だ。観測網の“点”を“線・面”に変え、地震計の空白を補う新技術として実用化を目指す。

通信インフラをセンサー化 観測点を面で増やす

狙いは、光ファイバーに生じる微小な伸縮や振動を連続的に読み取り、地下のどの区間がどれだけ揺れたかを推定することにある。京都大学は、光ファイバーセンシングの一種である分布型音響センシング(DAS)が、一本のケーブルを高密度の観測点として扱えると説明しており、従来の「装置を置いた地点だけを測る」発想を転換する技術として注目される。

背景には、観測体制が強化されてもなお「細かな差」が取り切れない現実がある。日本気象協会tenki.jpは、震度観測点が全国で大幅に増え、合計で4300カ所以上のデータが地震情報に活用されていると整理する一方、強い揺れが局地的に変化する都市部では、地下構造や地盤条件の違いをより高密度に捉えるニーズが残る。既設の光回線を使えれば、新規設置の負担を抑えつつ観測の解像度を上げられる可能性がある。

実用化の壁はノイズと運用 防災情報への接続が焦点

ただし、光ファイバーが拾うのは地震動だけではない。交通、工事、機械振動など日常的な“ノイズ”を地震と切り分け、揺れの大きさや周期を地震計のデータと整合させる校正が欠かせない。つまり、観測点を増やすだけでなく、解析と品質管理の運用設計が成否を左右する。

運用面では、得られたデータをどの機関のどの判断に結び付けるかも論点になる。地震調査研究推進本部(地震本部)は、阪神・淡路大震災後に地震研究や情報提供の枠組みが整備されてきた経緯を紹介しており、既存の観測網・評価手法と新たな観測技術をどう接続するかが、社会実装のハードルになりやすい。

実証が進めば、光回線を「通信」だけでなく「社会の計測基盤」として活用する流れを後押しし得る。地震観測で有効性が確認されれば、地下インフラの異常検知など周辺分野への波及も視野に入り、自治体や事業者にとってはコストと監視密度の両立という課題に一つの選択肢を与えるだろう。

参考・出典

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