ギリシャ・イスラエル・キプロス、2026年に東地中海演習を拡大

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2025.12.30

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ギリシャ、イスラエル、キプロスの3カ国が、2026年に地中海東部での空軍・海軍の合同軍事演習を増やす方針だ。2025年12月29日にReutersが、ギリシャ軍当局者ら複数の関係者の話として報じた。ギリシャ軍参謀本部は、3カ国の高官がキプロスで防衛協力の共同行動計画に署名したとも発表している。

演習増がもたらす「即応」の実務

3カ国が念頭に置くのは、海と空の「一緒に動く力」を平時から底上げすることだ。Reutersによると、2026年は空と海の合同演習を拡大し、ギリシャはイスラエルの海軍演習「Noble Dina」への参加も予定する。eKathimerini.comは、陸・海・空での集中的な共同訓練計画に触れ、国際航空演習「Iniochos」へのイスラエル側の参加も盛り込まれていると伝えた。

実務面では、通信手順や捜索救難、海上警戒の分担など、細部のすり合わせが演習の狙いになる。eKathimerini.comによれば、無人機（ドローン）や電子戦といった現代的な脅威への知見共有もテーマに入る。結果として、地中海東部での艦船・航空機の行動が増える分、現場では偶発的な接触を避ける運用の慎重さも同時に求められる。

協力深化の背景、残る摩擦

3カ国はここ10年ほど、訓練に加えて防衛装備やエネルギー分野でも関係を近づけてきた。Reutersは、軍事面の合意が、3首脳がエルサレムで会談し、海上安全保障協力やエネルギーの相互接続を進める枠組みに署名した流れと重なると報じる。AP通信も、ギリシャ・キプロス・イスラエルの送電網をつなぐ海底ケーブル構想をめぐり、トルコ側が反発してきた経緯を伝えており、軍事とエネルギーが並走する構図が見え隠れする。

一方で、協力が深まるほど、周辺国からは「包囲」と映る余地が出る。Reutersによると、地域のライバルであるトルコが情勢を注視するなか、キプロスでは野党AKELが軍事協力の拡大に懸念を示した。論点は、抑止力の強化が安定につながるのか、それとも緊張を持ち込むのかというトレードオフである。2026年の演習がどこまで常態化し、接触回避のルールをどう積み重ねられるかが、地中海東部の安心感を左右しそうだ。

演習増がもたらす「即応」の実務

協力深化の背景、残る摩擦

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