2025年10月仲介サイトポイント禁止へ反対多数寄付はどう動く

2025年10月から仲介サイトによるふるさと納税のポイント付与が禁止される。東京都中央区の仲介サイト運営会社が行った調査では反対が多く、制度変更は寄付の流れをどう変えるのか。さて、実際に寄付をやめる人はどれほどいるだろうか？

反対が7割超、その声はどこから来ているのか

調査では、禁止の認知度が高く、ポイント付与禁止に「反対」と答えた割合が目立った。まず全体の認知率と反対の割合を見れば、議論が広く行き渡っていることが分かる。なぜ反対が多いのか、そこには日常の小さな利便性が絡んでいる。

反対の理由として上位に挙がったのは「寄付者のメリットが減少する」と「ポイント付与が活性化につながっている」という意見だった。調査回答には送られるお礼品の魅力だけでなく、ポイントという「あと得」が寄付の動機を後押ししているという感触が繰り返し見られる。

この調査は全国の男女を対象にインターネットで行われ、回答者数は7015人、実施時期は2025年8月である。数値の裏には個々の家計やライフスタイルがあり、単なる統計以上の手触りが感じられる。

禁止目前、駆け込みの動きとその実態

制度変更を前に、年間の寄付を今年の9月末までに済ませたいと考える人が増えているという動きが読み取れる。調査では「今年の9月末までに10割寄付する予定」と答えた割合が前年同期から大きく増え、具体的には14.6％から36.6％へ伸びている。

前年同期比で2.5倍に相当する増加は、単なる数字以上の焦りを示している。ポイントの有無が寄付タイミングに直接影響を及ぼしているため、制度改正前の「駆け込み」が生じていると考えられる。

さらに、駆け込みの理由を尋ねると「ポイント付与が禁止される前に寄付したい」という回答が多く、71.5％を占めた。直前の判断を促すインセンティブが消えるとき、人々は早めの行動を選ぶのだろうか、あなたならどうするだろうか。

禁止後の行動はどう変わるか、残る理由と見えない点

ポイント付与がなくなった後でも「ふるさと納税を続ける」と答えた割合が多く、禁止後も寄付行動が完全に途切れるわけではないことが示された。具体的には、禁止後も続けると回答した人が65.7％で、禁止後にやめると答えた人は1.9％に留まった。

寄付を続ける理由には税の控除や還付が挙がり、税のメリットを挙げる回答は86.9％に達した。合わせて「お礼品を受け取ることができる」という回答も多く、69.1％がその点を重視している。金銭的な利得と物的なお返しが、依然として大きな動機になっている。

一方で「地域を応援できる」「自分の寄付が地域の発展に貢献するから」といった理由も一定の割合で示され、29.4％と19.6％がそれぞれ該当した。お金の話だけでなく、地域とのつながりや使命感も行動を支える要素である。

寄付先の選び方を見ると、お礼品の魅力が突出しており、回答の90.8％がこれを重視しているという。サイト選びに関してはお礼品の魅力とサイトの利便性が重要とされ、71.3％が前者を、55.9％が後者を挙げた。ポイントがなくなっても“何を得られるか”の価値判断は残る。

ただし、こうした短期的な反応が長期の寄付の流れにどうつながるかは現時点では未確認である。お礼品競争がどう落ち着くか、自治体の広報や制度運用がどのように影響するかはまだ見えていない。ポイント廃止は小さなルール変更に思えて、実際には地域経済や個々の寄付行動を微妙に揺らす波紋を広げる可能性がある。