国際会計基準審議会(IASB) 銀行の金利リスク軽減会計を公開協議

IASBが「リスク軽減会計」案を公開協議 銀行の金利リスクをより透明に

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国際会計基準審議会(IASB)は12月3日、銀行の金利リスク管理をより分かりやすく示すための新しい「リスク軽減会計」モデルについて、公開協議を開始した。国際会計基準の中核であるIFRS 9やIFRS 7の改訂を通じ、投資家が銀行のリスク対応をより立体的に把握できるようにする狙いだ。

投資家から見た金利リスクの「見える化」

鍵となるのは、銀行の金利リスクの見え方がどう変わるのかという点だ。新モデルは、銀行などが保有する多くの貸出や債券をまとめてとらえ、金利が動いたときに収益やキャッシュフローがどの程度揺れうるのかを会計上も表現しようとする。従来よりも、投資家にとって実務のリスク管理の姿に近い情報が示されることが期待される。

これまでのヘッジ会計では、個々の取引単位で評価する色合いが強く、ポートフォリオ全体でどの程度リスクを抑えているのかが決算書からは読み取りにくいとの指摘があった。IASBは、実際のリスク管理と会計上の処理を近づけることで、金融機関の内部管理の効率化と、投資家や監督当局とのコミュニケーションの質を高めたいとする。

今回のモデルは主に銀行や保険会社を想定しつつも、ポートフォリオ単位で金利リスクを管理する他の組織にも利用が広がる可能性がある。導入は任意とされるが、実務に取り入れれば、金利上昇局面で銀行がどこまで損益変動を織り込んでいるのか、預金者や企業利用者にも間接的に見えやすくなるとの見方もある。

長年の議論を経た新モデル、実務への影響はこれから

リスク軽減会計は、かつて「動的リスク管理(Dynamic Risk Management)」と呼ばれてきた長期プロジェクトの延長線上にある。金融機関や投資家から、現在の基準では金利リスク管理の実態が十分に反映されていないとの指摘が続いてきたことから、IASBは10年以上にわたり議論や実験を重ね、実務に近い情報開示のあり方を模索してきた。

IFRS財団の公表によると、今回の公開草案ではIFRS 9「金融商品」とIFRS 7「金融商品:開示」の改訂に加え、IAS 39の廃止も検討対象に含められている。コメント募集期間は240日間で、2026年7月31日まで各国の金融機関や投資家、規制当局などから意見を受け付ける。実務データを用いたフィールドテストも予定されており、モデルの使い勝手や副作用を検証する段階に入る。

もっとも、基準が最終化され、各国で承認されるまでには数年を要するとみられる。その間、金融機関にはシステム改修やリスク管理方針の文書化など準備コストが発生する見込みだ。特に人員やIT投資に余裕のない中小規模の機関には負担が重くなる可能性がある。

日本の銀行については、主要行を含め一般に日本基準(J-GAAP)で決算を行っており、新モデルが即座に適用されるわけではない。ただし、国際的な基準づくりの動向が日本基準の見直しに影響を与える可能性は高く、国内金融機関にとっても中長期的には無視できないテーマとなる。国際的に共通した物差しが整えば、投資家が各国の銀行を比較しやすくなるとの期待もあり、新モデルが透明性向上と実務負担のバランスをどこまで取れるかが今後の焦点となりそうだ。

参考・出典

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