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封筒が裁判所に届く準備が進むなか、全国の出資者1191人が都市綜研インベストファンドに約114億円の返還などを求めた。みんなで大家さんシリーズを巡る運用や説明の不適切さを主張し、2025年11月5日、大阪地裁に訴状を郵送したという。長引く不安が法廷で検証される段階に入った。
出資者が動いた理由
訴状などによると、同シリーズは成田空港北西部の開発計画などに出資すると分配金を受け取れる仕組みとされ、計3万8000人から約2000億円を集めたと伝える。関連会社は2024年度中の大型複合施設開業を掲げて20年に募集を開始したが、計画変更もあり現時点で施設は未完成だという。
分配金の支払いは遅れがちになり、契約解除後も出資金が戻らない例があると出資者側は主張する。行政処分を経て信頼が崩れたとの受け止めも広がり、家計の計画や老後資金に充てた人ほど影響は大きい。メールや説明会でのやり取りが積み重なり、集団での提訴に踏み切った構図だ。
請求の柱は出資金の返還で、総額はこの金額にのぼる。訴状は大阪地裁に郵送され、受理や期日の通知を待つ段階とみられる。裁判所の公式な公表は現時点で確認できず、記載内容の一部は今後の手続きで精査される見込みだ。いずれにせよ、現金化の道筋が問われている。
行政処分と計画変更の経緯
背景には、法に基づく行政処分がある。大阪府は2024年6月17日、都市綜研インベストファンドに不動産特定共同事業の業務の一部停止を命じ、重要事項の説明が不十分だった点などを指摘した。命令は30日間とされ、監督当局の説明責任への視線が一段と強まった。
同社は命令の執行停止を大阪地裁に申し立て、一度は認められたものの、その後に大阪高裁が決定を取り消したと公表している。結果として新規の募集や販売は停止され、運用や分配の見通しにも影響が及んだ。商品設計や情報提供の在り方が、改めて問われる局面となった。
グループは2024年7月5日付で経緯の説明を掲出し、成田シリーズの一部で開発許可を得ていない土地が対象不動産に含まれていた問題を、許可済みの土地と交換する対応で解消したと報告した。内部手続きの不備を認め、再発防止や体制強化を挙げたが、出資者の不安は残った。
事業者の対応と今後
親会社は「訴状が裁判所から届きましたら、誠実に訴訟対応を行って参る所存です」とのコメントを出した。法廷では、資金管理の適否、投資家への説明の水準、契約の解除や持分譲渡の取り扱いなど、個々の論点が積み上げられていくはずだ。争点は複層的である。
一方で、同社は命令に従い新規募集を止めている。運用の継続と投資家保護の両立をどう描くかが焦点だ。分配や返還の原資、資産の売却や開発の進め方、情報開示の粒度と頻度。小口化商品が抱える課題が一つの事案に集約され、業界全体のガバナンスにも波及しかねない。
厚みのある書類の束が郵便窓口を離れ、判決までの時間が静かに動き出した。工事の足音が遠くで続くあいだ、出資者の通帳には変化のない日もある。法廷で確かめられる事実の積み重ねが、やがて資金と信頼の行き先を照らすかもしれない。
