人道支援の継続が焦点　イスラエルのINGO登録義務に国連警告

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2025.12.24

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イスラエル当局が2025年3月に導入した国際非政府組織（INGO）の登録制度を巡り、国連機関と200超の援助団体が2025年12月17日、占領下パレスチナ地域で人道支援が崩壊しかねないと懸念を表明した。制度では2025年12月31日までに登録されないINGOが、原則として60日以内に活動停止を迫られる可能性がある。

「止まるのは書類ではなく、医療と水」

援助団体側が強調するのは、登録の可否が現場の手足を縛る点だ。共同声明では、INGOがガザで野戦病院や一次医療、水と衛生、栄養支援、緊急シェルターなど命を支える中核を担っているとし、登録抹消や閉鎖が連鎖すれば代替は利きにくいと訴えた。物資が域外で滞留しているとの指摘もあり、医療や衛生の「細い糸」がさらに切れやすくなる。

制度の射程は、事務手続きにとどまらない。国連人道調整機関（OCHA）は、パレスチナ人職員の個人情報の提出などを求める要件が人道活動の継続を脅かすとして、2025年8月にも撤回を求めてきた。登録が失効すれば、スタッフの入域や雇用、業者との契約、車両の運用まで一気に滞り、60日という猶予は現場にとって「縮退のタイマー」になり得る。

規制の狙いと、残る選択肢

イスラエル側は、援助が武装組織ハマスに流れるのを防ぐ必要があるとの立場を示してきた。一方で援助団体と国連は、基準が曖昧で政治化していると反発し、申請中の団体が多数残ると指摘する。国境管理や許認可の裁量が広がれば、援助の中立性が疑われるだけでなく、活動の萎縮を招くとの見方も出ている。

国連側は、INGOが占領下パレスチナ地域で年間約10億ドル規模の支援を届けてきたとし、穴埋めは容易ではないとする。医療団体MSF（国境なき医師団）も、登録が失われれば2026年1月以降の支援継続が阻まれかねないと警告した。締め切りが迫るなか、国際社会が制度運用の透明性と人道アクセスをどう確保するのかが、住民の暮らしに直結する問いとして残る。

「止まるのは書類ではなく、医療と水」

規制の狙いと、残る選択肢

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