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夏の余韻が残る北部のゲート前では、記念撮影を楽しむ家族連れの笑い声がこだまする。一方、運営会社の帳簿には開業準備の重みが刻まれた。大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」を運営するジャパンエンターテイメント(名護市)の2025年6月期(第7期)決算は、純損益50億9800万円の赤字。2025年10月15日に官報の決算公告で判明した事実である。
赤字が映す“準備の季節”
決算は開業前の最終盤にあたる期間で、売上がまだ計上されていない。確認できる範囲では営業損失1200万円、経常損失50億9100万円、最終損失50億9800万円という構図で、費用先行の姿が浮かぶ。投資と人材配置、施設やサービスの立ち上げに伴うコストが膨らみ、収益化に先んじた支出が赤字を押し広げたとみられる。
公表日は2025年10月15日。公告というかたちで開示された数字は、同社が第7期を“仕込みの最終段”として過ごしたことを物語る。決算期の区切りも従来から変更された可能性が示唆されており、運営フェーズへの移行を見据えた体制整備が進んだと映る。数字は冷徹だが、準備期の赤字は大型観光開発に付き物でもある。
足元の損益が厳しくとも、資金は運営開始後の回収を前提に組まれる。開業に向けては演出・安全・運営オペレーションの検証が重ねられ、広告や採用も同時並行で進む。支出の内訳は公告だけでは見えないが、額の大きさは「初年度をどう乗り切るか」が最大の論点であることを示す。現時点で確認されている範囲では、その重心は人件費と設備関連に置かれているとみられる。
7月の開業、収益は次の期から
ゲートが開いたのは2025年7月25日。やんばるの大自然を舞台にした“没入型”をうたう新パークは、スパやフード、物販を含む体験価値で勝負する構えだ。初年度のピークシーズンを迎えて以降に本格的な売上が立ち始めるため、決算上は次の2026年6月期から収益が数字として表れる見通しである。準備から運営へ、帳簿の性格が変わる節目がすぐそこにある。
開業告知の段階から、同社は“沖縄本島北部の新たな観光の核”を掲げてきた。施設の構成やコンセプトは、地域の自然や文化の魅力を引き出すことに主眼がある。現地では夏の高揚感が続くなか、遠方からの来訪者も交え、実体験の口コミが広がっている。これが秋以降の集客の底支えになるかどうかが、次期決算の姿を左右すると映る。
一方で、足もとの費用圧力はなお重い。運営初年度は稼働率の読み違いが生じやすく、広告投下や人員配置の微調整も欠かせない。繁忙と閑散の波を丁寧に均し、単価と回転のバランスを磨けるか。数字は来期まで待つしかないが、7月の開業でようやくスタートラインに立ったことは確かである。地域の期待と企業の投資回収、その折り合いが注目点となる。