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秋風が吹く名古屋の会見場で、2025年10月1日、河村たかし共同代表が「関係修復は難しい」と語った光景が残る。日本保守党内の軋轢は、離党の観測と新党構想が重なる局面に入り、党の行方と愛知の政局に波紋を広げている。百田尚樹共同代表と有本香事務総長は対決姿勢を強め、地元を舞台に主導権争いが続く構図が鮮明になった。
深まる溝、表に出た決裂の兆し
火種は今年4月の記者会見ではっきりと見えた。党代表選の在り方や党大会の実施をめぐり、河村氏と百田氏の議論は平行線をたどり、会見の場で口論に発展した経緯がある。その後に協議の場が設けられたが、やり取りは決定的な歩み寄りに至らず、むしろ双方の不信を固めたと映る。現時点で確認されている範囲では、当事者の主張に食い違いが残ったままだ。
一部報道によれば、会見後の場面で百田氏が河村氏にペットボトルを投げつけたとの情報も出た。ただし事実認定は揺れており、双方の説明にも温度差がある。こうした細部の真偽を越えて、党運営の意思決定や権限配分をめぐる対立が長期化していることは確かだ。誰に有利に働くのか、偶然の衝突ではなく構造的な綻びが浮かぶ。
そして2025年10月1日、名古屋市内での記者会見で河村氏は、執行部との関係修復は難しいとの見解を示した。離党の可能性を問う声が強まり、新党設立を視野に入れる動きも取り沙汰される。対立のゴールが見えないまま、党の求心力は試され続けている。流れは決着ではなく、分岐へと向かっているようにみえる。
愛知をめぐる主導権、膨らむ支持と離れていく足元
9月には、河村氏に近いとされる竹上裕子衆院議員が離党届を提出した。理由は百田氏らへの不満とされ、愛知を軸とする人の流れは、党内の地殻変動を映す指標になっている。地元の支持層は二分され、地域の活動網や選挙ボランティアの配分にも微妙な緊張が走る。足元の離合集散が、次の一手を左右する局面だ。
一方で、有本氏はX上で新規党員の増加に言及し、「ありがたい限り」との言葉を重ねた。引用する形で百田氏は「綺麗な賃貸マンションでも、1人でも変な住人がいたら部屋は埋まらないが、その住人がいなくなるとわかれば入居希望が増える」と投稿し、離党騒動が党勢拡大に寄与しているとの認識をにじませた。オンラインの熱量と現場の動員が交錯している構図が広がっている。
同じ1日、インターネット番組で有本氏は「とりわけ愛知県は特に力を入れたい」と語り、舞台を地元に定めて正面から対抗する姿勢を示した。愛知は党創設期からの象徴的な地であり、分裂含みの状況下では、誰が地域の看板を掲げるのかが決定的な意味を持つ。動員、資金、メディア露出――三つ巴の競争が現実の票読みへと接近しているとみられる。
次の一手はどこに向かうのか
河村氏が離党し新党設立へ舵を切る場合、候補者調整は最初の関門になる。党本体と新党が同一選挙区で競合すれば、支持層の重なりが想定され、議席の取りこぼしが現実味を帯びる。逆に、役割分担が早期に固まれば、両者が異なる土俵で存在感を発揮する余地も出る。いずれにせよ、判断は数週間単位のスピード感が求められる局面だ。
百田氏・有本氏の側が強調するのは「組織の秩序」と「拡大の勢い」だ。会員増の手応えを根拠に、規律を確保して前に進むというメッセージを打ち出す。一方で河村氏は、地方政治で培った地盤を背景に、既存の枠組みへの違和感を語ってきた。主導権をめぐる物語は、統治のあり方を問う物語でもある。対比は理念だけでなく、運営技術の優劣へと及ぶ。
現時点で確認されている範囲では、双方とも決定的な離反や和解を正式表明していない場面もある。だからこそ、言葉の温度や行動の順番が重さを持つ。党内民主主義の手続き、情報公開、意思決定の透明性――それらをどう整え、誰が説明責任を果たすのか。名古屋の会見場で始まった緊張は、全国の支持層の前で答えを迫られていると映る。