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救急車のサイレンがエルサレム北郊クフルアカブに鳴り響いたのは、2025年11月21日未明だった。イスラエル治安部隊の夜間侵入のあと、18歳と16歳のパレスチナ人少年2人が胸を撃たれ、ラマッラの病院に搬送されている。家族は処置室の前で名を呼び続けたが、まもなく死亡が告げられた。
少年2人の死をめぐり食い違う説明
死亡したのはアムル・ハーレド・アハメド・アル・マルブーさん(18)とサミ・イブラヒム・サミ・マシャイェフさん(16)で、パレスチナ自治政府の保健当局は2人が「殉教者」として名を公表した。パレスチナ人権団体の調査では、20日夜23時半ごろから治安部隊が村に入り、幹線道路沿いに車両と狙撃兵を配置したとされる。
一方、イスラエル警察は記者団に対し、現場で職員に「即時の脅威」を与えた4人に発砲したと説明し、石や花火が投げつけられていたと主張する。これに対し、マルブーさんの友人は「彼はただ立っていただけで石も持っていなかった」と証言し、親族も「4人のうち1人は重体、別の1人も負傷した」と語り、過剰な力の行使だと訴えている。
分断されたエルサレム周辺で続く暴力
パレスチナ人権センターによると、21日午前0時ごろ、兵士が投石を受けたと主張して音響弾を多数使用したことから小規模な衝突が始まった。その約20分後、住宅ビル上の狙撃兵がマシャイェフさんの胸部を撃ち、さらに別の若者の足とマルブーさんの胸を撃ったという。2人はいずれもラマッラのパレスチナ医療センターで処置を受けたが、午前1時ごろ死亡が確認された。
クフルアカブは東エルサレムに編入された地区に位置しながら、イスラエルが築いた分離壁の外側に取り残されている。地図上ではエルサレム市の一部だが、物理的には市街地と隔てられ、道路整備や上下水道、治安などの行政サービスは慢性的に不足してきた。治安部隊の襲撃と市民の抗議が繰り返される背景には、こうした二重の周縁化が横たわる。
西岸地域では2023年10月のハマス攻撃とガザ戦争以降、家宅捜索や銃撃で多数の市民が命を落としており、人権団体は2025年だけで子ども40人を含む200人超がイスラエル側に殺害されたと集計する。ガザでは停戦合意後も完全な復興の目途が立たない一方、エルサレム北端の狭い街路では、夜ごとにサイレンと銃声が住民の日常をかき消している。
