本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。
自民党総裁選の投票直前、神奈川県の党員数が突然“増えた”。2025年9月27日、党本部は県内の党員投票の選挙人数を訂正し、理由を「継続手続きの齟齬」とした。背景では、中山展宏氏が勧誘した党員の一部が意思確認なく離党処理され、投票用紙が届かない事態が生じていたという。事務の不備か、意思の切り捨てか。その境目が問われている。
数字が動いた夜
訂正は2025年9月27日に公表された。神奈川県の選挙人数は当初の57344人ではなく、58170人だったと示された。理由は「一部党員の継続に関し、齟齬があったため」。数字だけを見れば単なる修正だが、総裁選の山場での変更は重い意味を帯びる。
告知は総裁選挙管理委員会の名義で静かに置かれた。投票用紙が順次届くはずの時期に、県内の支部では「届かない」という声が相次いだという。発表文は簡潔だったが、現場から上がる違和感は収まらず、訂正の経緯や確認手順の透明性が問われる状況となった。
訂正の差分は826人である。単純な入力ミスとは受け取りにくい規模だ。現時点で確認されている範囲では、手続き上の確認漏れが積み重なり、名簿から外れた人々が出た可能性がある。数字が示すのは事務のほころびだけでなく、運用のチェック体制の脆さでもある。
県内支部で何が起きたのか
神奈川9区で支部長を務めていた中山展宏氏は、投票用紙が届かないとの連絡を2025年9月26日に受けたという。氏がこの1年ほどで勧誘したのは約1000人。連絡は一件二件ではなく、短時間に集中した。支部の机上では照合作業が続き、名簿の抜けが次々と露わになっていった。
県連への確認で、今年6月に意思確認のない離党処理が行われ、826人が名簿から除かれていたことが判明したとされる。離党届や未納の扱いなど、どの事実を根拠に外したのかは曖昧な点が残る。現場の説明は断片的で、処理の指示経路や決裁の所在もなお霧の中にある。
該当者には速達で投票用紙が送られ、遅れを取り戻す段取りが急ごしらえで組まれた。選挙人数の訂正が続いて示され、選管は「齟齬」を強調した。だが、意思確認を欠いた離党処理が事実なら、作業の迅速さだけでは埋まらない溝が残る。信頼の欠落は、選挙の公正そのものに跳ね返る。
党勢への影響と残る宿題
中山氏は前回の総裁選で高市早苗氏を支持し、今回もその支持層が厚いと語る。離党処理とされた人々には、高市氏に投じた経験を持つ層が多かったとされ、今回は小林鷹之氏に傾く声もあるという。支持の色合いが偏っていたとすれば、操作の疑念は一段と強く映る。
一部報道では小泉進次郎氏の“ステマメール”問題が指摘され、地元神奈川を巡る空気はささくれている。大量の支持層が「勝手に離党」させられたとの受け止めが広がれば、火種は増える一方だ。選挙は争点の競い合いであると同時に、手続きの信頼で成り立つという初歩を、政党は忘れられない。
求められるのは、経緯の時系列と責任の所在の開示である。誰が、どの判断で、どの資料を根拠に処理を行ったのか。第三者の検証や再発防止の手順づくりも欠かせない。名簿管理の統一基準、支部長と県連の権限境界、異議申立ての救済窓口——すべてを可視化して、初めて信頼は戻る。