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ペルー南部クスコ州で2025年12月30日、世界遺産マチュピチュ遺跡へ向かう鉄道路線で観光列車同士が向かい合う形で衝突し、運転士1人が死亡、負傷者は40人規模に上った。運行会社のInca RailとPeruRailが関わり、保健当局は負傷者のうち約20人が比較的重い状態だとしている。
年末の観光動線で起きた事故、救助と運休が直撃
事故はマチュピチュとオリャンタイタンボを結ぶ区間で起き、現地報道やAP通信はコリワイラチナ付近と伝えた。車両の窓ガラスが割れるなど損傷が大きく、線路脇で手当てを受ける負傷者の様子も報じられている。負傷者には外国人観光客も含まれるという。
PeruRailは声明で、30日午後1時20分ごろに事故が発生し、救急対応の手順を起動して負傷者を駅まで搬送し、救急車で医療機関へ移送すると説明した。AP通信によれば、事故後はマチュピチュとクスコを結ぶ鉄道サービスが止まり、列車移動を前提に旅程を組んでいた観光客には迂回や日程変更が迫られた。
原因究明と補償の確認、観光インフラの「安全の見える化」が焦点
ロイター通信によると、当局が原因を調べている。マチュピチュは年間100万人を超える観光客が訪れる主要目的地で、多くの旅行者は周辺の町アグアス・カリエンテスへ鉄道で入り、遺跡へ向かう。線路の運用は観光需要と直結するだけに、運行管理や連絡体制の検証が避けられない。
現地ラジオ局RPPは、消費者保護などを担う政府機関Indecopiが職権で調査を始め、負傷者への対応が適切だったか、事故保険の扱いなどを確認すると報じた。論点は、事故原因の特定だけでなく、運休時に誰がどの費用と手続きを負担するかという利用者側の実務にも広がる。世界遺産を支える交通の信頼をどう回復するかが、次の焦点になる。
参考・出典
- Head-on train crash near Peru's Machu Picchu kills driver, injures dozens
- Train crash in Peru kills 1 person and injures at least 30 | AP News
- PRESS RELEASE PERURAIL 30 DECEMBER 2025
- Indecopi inicia investigación tras violento choque de trenes que dejó un fallecido y 30 heridos en la vía hacia Machu Picchu
- Historic Sanctuary of Machu Picchu – UNESCO World Heritage Centre
