三菱重工が長崎でCO2由来合成燃料の実証成功、SAF適合確認

三菱重工、CO2から航空燃料SAFの製造実証に成功 長崎で一貫プロセス

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航空機燃料の脱炭素化を左右する持続可能な航空燃料(SAF)の供給拡大に向け、二酸化炭素(CO2)を原料にした合成燃料づくりが一歩進んだ。三菱重工業は2月13日、長崎市深堀町5丁目の総合研究所長崎地区で、CO2・水・電気から液体合成燃料を一貫して製造する実証に成功し、得られた燃料成分がSAFに適すると確認したと発表した。

SOEC共電解×FT合成 一気通貫実証

発表によると、実証はSOEC(固体酸化物形電解セル)による「共電解」と、FT(フィッシャー・トロプシュ)合成を同じ設備の流れの中でつなぎ、液体燃料までを通しでつくる構成だ。SOEC共電解では、合成燃料の原料となる水素と一酸化炭素を同時につくり、これをFT合成装置に送り込んで液体の炭化水素を得る。

三菱重工は、工程を簡素にしつつ効率も高められる点がコスト低減につながるとしている。SOECは高温で反応を進める方式で、同社は独自の円筒形セルスタックも開発してきた。合成ガス(H2とCO)を起点に、SAFだけでなく自動車・船舶向け燃料や都市ガス原料へ広げられる余地がある。

SAF需要拡大 量産ボトルネック

背景には、国際民間航空機関(ICAO)が国際航空分野で2050年までにCO2排出を実質ゼロとする目標を掲げ、SAFなどの低炭素燃料と炭素クレジットの活用が大きな比重を占めるとの見立てがある。供給量が限られる現状では、原料の多様化と量産技術の確立が各国の課題になっている。

国内でも、既存製油所でのSAF製造に向けた設計作業などが進む一方、電力由来の合成燃料は、再生可能エネルギー電力の確保とCO2の回収・供給、燃料の品質・認証、価格の折り合いが壁になる。今回の成果は「装置として提供できる形」に近づける試みであり、実証から連続運転・大型化へどうつなぐかが次の焦点だ。

合成燃料は、燃やす段階の排出だけでなく、電力やCO2回収まで含むライフサイクルでの削減効果が問われる。量産に進むほど、安価で安定した再エネ電力、確かな原料CO2、長期の需要契約が必要になる。技術実証の次は、供給網と制度設計がコストと普及速度を決める局面に入る。

参考・出典

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