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静かなロビーに投票箱の金具が鳴り、選管職員の声が響いた。宮城県知事選は2025年10月26日 7:00に投票が始まった。午前の出足は鈍く、11:00現在の推定投票率は8.86％と前回より4.38ポイント低い。6選を目指す現職と新人4人が争う構図の下、20年の県政運営をどう評価するかが問い直されていると映る。
静かな朝、投票は淡々と
投票は県内各地の投票所で淡々と始まった。廊下に並ぶ案内板、足早に受付に向かう有権者。2025年10月26日 7:00の開始は例年どおりだが、午前の動きは鈍い。11:00時点の推定投票率は8.86％で、4年前の同時刻を4.38ポイント下回った。現時点で確認されている範囲では、前回より低調な滑り出しが読み取れる。
一方で、投票は一部の投票所を除き20:00まで受け付けられる見通しである。日中の家事や仕事を終えた後に投票所へ向かう人の姿も想定され、夕方以降に曲線が立ち上がる可能性は残る。県選管は特設ページで定時の投票状況を順次更新しており、数字の推移が刻々と積み重なっている。
開票も即日で進む段取りだ。投票締め切り後、各開票所で票がほどかれ、候補者名が読み上げられる。県の特設サイトは投開票の速報窓口となり、節目の数字が画面に現れるたび、静かな緊張が広がっていく。午後の投票動向が最終盤の鍵を握るとみられる。
5人がぶつけた訴え
立候補したのはいずれも無所属の5人だ。6選を目指す現職の村井嘉浩氏（65）。対する新人は、前自民党参院議員の和田政宗氏（51）、自営業の金山屯（じゅん）氏（85）、前県議の遊佐美由紀氏（62）、元角田市職員の伊藤修人氏（33）である。顔ぶれの幅広さが、この選挙の視線の多様性を物語る。
選挙戦では、村井氏が担ってきた5期20年の県政運営をどう評価するかが大きな軸となった。震災からの復興、産業や人口減少への処方箋、行財政運営の持続性。県政の骨格に関わる論点が並び、実績継承か路線転換かという選択が有権者の前に置かれた構図が浮かぶ。
現職の経験に新人4人がそれぞれの切り口で迫った。県庁舎前のマイクから商店街の小さな街頭まで、候補者の言葉は日常の風景に交じり、暮らしの実感と重なる瞬間もあった。公約の厚みや実現可能性、財源の裏付けをめぐる議論は、候補者の姿勢を映す鏡でもあったとみられる。
期日前の伸びときょうの見通し
当日の出足が鈍い一方で、期日前投票は増えている。県選管の集計に基づく報道では、期日前投票者数は約40万人に達し、前回を上回る水準となった。平日のうちに票を投じる行動が広がる中、当日午前の投票率が低めに出る傾向は一定程度想定される景色である。
このため、午前の定点だけでは最終像は見通しにくい。午後から夕方にかけての伸び、期日前分の上積み、そして無効票の割合。複数の要素が重なって最終投票率は形作られる。現時点で確認されている範囲では、午前の数字は前回を下回るが、総体としての有権者の意思は開票作業の進展とともに立ち上がってくる。
投票は一部の投票所を除き20:00に締め切られ、即日開票される予定だ。県の特設サイトは投票状況と開票速報を順次更新する。夜、画面の数字が確定値へと近づくにつれ、20年の県政の延長か刷新か、選択の輪郭がはっきりと立ち上がる。長い一日の結末を見届けたい。
