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福岡市中央区の「みずほPayPayドーム」周辺で2025年12月14日夕方、男女2人が相次いで刺され、うち男性に対する殺人未遂の疑いで糸島市の30歳の無職の男が緊急逮捕された。被害に遭ったのは、HKT48の男性スタッフ（44）と会社員の女性（27）で、警察は2人が刺された経緯と男の動機を調べている。
刺された場所は「人の流れ」が交差する足元だった
警察によると、14日午後5時ごろ、PayPayドーム1階駐車場のエレベーターホールで男性が刃物のようなもので刺された。その後、隣接する商業施設でも女性が刺され、通報や救急対応が続いた。イベント帰りの来場者と、施設の従業員動線が重なる時間帯で、周辺は一時緊迫した雰囲気に包まれた。
被害男性がHKT48の運営に関わるスタッフだったことは、複数メディアが報じている。HKT48側は当日のファン向け企画の一部中止などを公表し、施設側も安全確保を優先した対応に追われた。娯楽施設が集まる一帯では、非日常の高揚感と、ふだんの警備の境界がどこに引かれていたのかが問われる。
逮捕で一区切りでも、動機と再発防止は「これから」
男は男性を殺害しようとした疑いで緊急逮捕され、警察は事件を殺人未遂として捜査している。初動では逃走者像が報じられ、目撃に基づく情報が先行したが、逮捕で状況は大きく動いた。捜査の焦点は、2人がなぜ同じ男に狙われたのか、無差別性があったのかという点に移る。
一方で、施設運営側にとっては営業や公演の再開判断が重い課題になる。警察の鑑識や周辺警戒が続く中、来場者の安心をどう担保するかは、追加の警備だけでは片づかない。人が集まる場所ほど、入口や通路の「穴」は生まれやすい。逮捕を節目に、動線設計と警備の前提を見直す議論が避けられない。
