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米国土安全保障省は現地時間3日、南部ルイジアナ州ニューオーリンズで、連邦当局による不法滞在者の大規模摘発作戦を始めたと明らかにした。市が連邦移民当局との連携を制限してきたため、逮捕後に釈放された犯罪歴のある人々も主な対象とされる。観光と音楽の街は今、治安強化と住民の不安が交錯する局面に立たされている。
移民の日常に広がる緊張
AP通信などによると、作戦には国境警備隊や移民税関捜査局など200人超の連邦要員が投入され、60日間で数千人規模の逮捕を目指すとされる。主な捜索場所はホームセンターや飲食店周辺など、移民労働者が集まりやすいエリアで、現地では家から出るのを控える人も出ている。雨の中での抗議デモや、連邦捜査官への暴行や妨害行為を抑止するための専用通報窓口の設置も報じられ、市民生活全体が緊張状態に置かれている。
ニューオーリンズは、連邦移民当局への情報提供や身柄引き渡しを限定する、いわゆる「聖域都市」的な方針を取ってきた。かつての人権侵害訴訟を踏まえた改革でもあり、市側は「地域社会との信頼維持に不可欠」と強調してきた。一方で、州知事や一部の治安当局は、犯罪容疑者が釈放される要因になっているとして強く批判し、今回の摘発を「治安回復への一歩」と歓迎している。現場では、移民コミュニティの恐怖と治安不安を訴える声が、同じ街の中でぶつかり合っている。
連邦政府の狙いと残された問い
国土安全保障省は声明で、武装強盗や住居侵入、性犯罪などの容疑で逮捕された後に、連邦の身柄引き渡し要請が尊重されず釈放された不法滞在者を重点的に捜索すると説明している。ワシントン・ポスト紙などによれば、今回の「カタフーラ・クランチ作戦」は、シカゴやロサンゼルスなど民主党系の大都市で続けてきた一連の摘発の延長線上にあり、「聖域都市」政策が市民の安全を損なっていると訴える材料としても位置づけられている。
他方で、こうした作戦では実務上、前科のない庇護申請者や日雇い労働者まで拘束対象が広がりがちだと、ACLU(全米市民自由連合)や各紙は指摘してきた。移民コミュニティとの信頼が損なわれれば、犯罪被害や不正行為の通報が減り、結果的に治安対策そのものが弱まる恐れもある。ニューオーリンズで始まった今回の作戦が、本当に暴力犯罪の抑止につながるのか、それとも不安と分断を深めるだけなのか。誰の安全をどのようなコストで守るのかという問いが、今後いっそう重くのしかかる。
