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川崎汽船は12月17日までに、新造の液化CO2船「NORTHERN PHOENIX」の運航開始を伝えた。ノルウェーのCCSプロジェクト「Northern Lights」で使う3隻目の専用船で、ノルウェー国外で回収したCO2を液化し、西部オイガーデンの受入基地へ運ぶ役割を担う。
増えたのは「船」だけではない、越境CO2物流の実務
液化CO2船が1隻増えることは、単なる輸送量の上積み以上の意味を持つ。CCSは、工場などから出るCO2を回収し、地下に封じ込める取り組みだが、回収が進んでも運べなければ止まる。定期的に航路を回せる船が増えるほど、排出側は「引き取り先がある」という前提で投資判断をしやすくなる。
今回の船は中国・大連のDSOCで建造され、12月2日に引き渡された。Northern Lightsによると、回航しながら省エネ装置の性能確認などを進め、ノルウェー到着後は受入基地での準備作業や、岸壁と船の連携訓練に入る。つまり運航開始は、海の上の輸送だけでなく「陸側の受け入れ手順」を含む総力戦になる。
CO2はどこから来て、誰が費用を負うのか
NORTHERN PHOENIXは、Northern Lightsが進める「国外の顧客のCO2を受け入れる」構想を具体化する。Equinorは、CO2を船でオイガーデンへ運び、いったん陸上設備に受けた後、パイプラインで北海の貯留層へ送って永久貯留する流れを示している。CO2は商品ではなくコストになりやすく、回収、液化、港湾、輸送、貯留のどこで費用が膨らむかが、普及の速度を左右する。
2025年8月には、Northern Lightsで初めてCO2が海底下約2600mへ圧入された。Northern Lightsは、今回の船がYaraのCO2輸送を担うとし、2026年には4隻目も加わる計画だ。年間の貯留能力を広げる構想もある一方、越境でCO2を扱う以上、排出量の算定や契約条件の標準化が進まなければ「運べるのに集まらない」局面も起こり得る。船の就航は、供給網づくりの次の難所を照らし出す。
参考・出典
- Northern Lights社向け液化CO2船“NORTHERN PHOENIX”が竣工 | 液化ガス事業 | ニュースリリース | 川崎汽船株式会社
- Northern Lights社と川崎汽船の共同主催 液化CO2船“NORTHERN PHOENIX”お披露目見学会を開催 | 液化ガス事業 | ニュースリリース | 川崎汽船株式会社
- Northern Phoenix delivered – Northern Lights
- The Northern Lights project – Equinor
- First CO2 volumes stored at Northern Lights – Equinor
