本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
米テックメディアStorageReviewは2025年12月11日、円周率を314兆桁まで計算したと公表した。計算は2025年7月31日に始まり、11月18日に完了したという。使ったのはDellの2Uサーバー「PowerEdge R7725」で、クラスタではなく1台で走り切った点を成果として前面に出す。
1台で走り切る計算が映す運用の現実
StorageReviewによれば、314兆桁の計算はPowerEdge R7725にAMD EPYC 9965を2基、メモリ1.5TB、Micron 6550 Ion 61.44TBのSSDを40本載せた構成で実施した。計算ソフトのy-cruncherは、ひとことで言うと円周率などの定数を超長桁で計算する専用プログラムだ。多数のSSDを作業領域に使い、約2.1PB規模の入出力をサーバー内で回した。
桁数競争の文脈では、キオクシアが2025年5月にLinus Media Groupと組み、300兆桁を算出してギネス世界記録の公式タイトルを得たと発表している。こちらは2.2PBのストレージクラスタを組み、約7カ月半かけた。対してStorageReviewは、単一筐体に寄せることで電力と冷却、運用の複雑さを抑えたと説明し、総消費電力量4,304.662kWh、平均約1,600Wという数字も示した。
省電力の裏で問われる「守り」の設計
超長期計算は、CPUの速さだけでなく「止まらずに回し続けられるか」が勝負になる。StorageReviewは、設計変更を受けたサーバーの直結型バックプレーンなどが効き、40ベイ同時アクセスで最大280GB/s級の読み書きを見込めると書いた。さらに、安定したOS運用やバックグラウンド負荷の抑制、NUMAはCPUとメモリの距離を意識して配置を最適化する考え方だが、そうした調整も110日連続稼働を支えた要因に挙げた。
一方で、効率の追求は割り切りも伴う。StorageReviewは計算中、作業用SSD群をJBODとして使い、データ冗長性を持たせなかったと明かしている。JBODは複数のドライブを束ねるが保護機能は基本的に持たない運用だ。その代わり、最終的な出力データはソフトウェアRAID10で守ったという。記録は「速さ」だけでなく「壊れても守れるか」という設計思想も露呈する。1台での達成が、研究計算やAI学習の現場で、どこまで再現可能な運用モデルになるかが次の焦点になる。
参考・出典
- StorageReview Sets New Pi Record: 314 Trillion Digits on a Dell PowerEdge R7725
- PowerEdge R7725 | Dell 日本
- Calculating 100 trillion digits of pi on Google Cloud | Google Cloud Blog
- キオクシアとLinus Media Groupが「最も正確な円周率の値」のギネス世界記録™を樹立 | KIOXIA – Japan (日本語)
- KIOXIA and Linus Media Group Set World Record for Pi Calculation | Business Wire
