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ブロックチェーン関連9組織の幹部らが、耐量子暗号の共通評価基準を策定する団体「Quantum Alliance」を設立した。2026年10月16日(現地時間)付の共同発表によると、ネットワークやウォレット、関連インフラについて、量子攻撃への耐性を検証する試験基準と、暗号方式の移行に必要な互換性仕様を整備する。
「耐量子対応」の定義と検証方法を共通化
参加組織のHackenは、耐量子対応という表示がどの技術範囲を指し、どのような証拠で裏付けられるべきかについて、共通基準が存在しないことを課題に挙げている。
Quantum Allianceは最初の成果物として、取引署名、鍵管理、合意形成、ゼロ知識証明、P2P接続の5領域を対象に、耐量子対応の定義を策定する。公開された試験基準やベンチマークによって、各プロジェクトが実装の安全性を検証できる仕組みを目指す。
活動は、ブロックチェーン移行、耐量子ゼロ知識システム、ウォレットの安全性、チェーン間互換性の4分野で始める。Hackenは、評価方法や検証に必要な証拠、結果の示し方などを整備する役割を担う。
背景には、将来、十分な計算能力を持つ量子コンピューターによって、現在広く使われる楕円曲線暗号の公開鍵から秘密鍵を導出される恐れがあることが挙げられる。現時点では、こうした攻撃を実行できる量子コンピューターは存在しない。
既存口座の移行やウォレット復旧も検討
移行の参照設計では、公開鍵が露出した口座、休眠口座、所有者がアクセスできなくなった資産への対応を検討する。耐量子署名の採用によって取引データが大きくなる問題も対象だ。
ウォレットについては、鍵の生成・保管・署名からハードウェアの安全領域、復旧手順までを検討する。さらに、ウォレット、ブリッジ、ハードウェア署名装置が、異なるチェーン上の耐量子鍵を一貫して扱えるよう共通仕様を整備する。
設立発表で挙げられた参加組織は、Quantus、American Fortress、Intmax、Keystone、Midnight Foundation、Postquant Labs、Abelian、The Vault、Hackenの9組織。
運営はIETFをモデルとし、個人の参加も受け入れる。企業規模やトークン保有量に左右されず、公開された証拠と動作する実装を重視し、原則として多数決ではなく合意形成によって提案を進める。
公式サイトでは4つの作業部会と標準文書の審議手順を公開している。耐量子対応の共通定義、試験基準、ベンチマーク、移行の参照設計は引き続き策定段階にあり、今後公開する予定だ。
