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楽天モバイルの契約システムの裏側で、知らないうちに回線だけが増えていく状態が続いていたという。その中心にいたのは、大人ではなく地方に暮らす2人の男子高校生だった。愛知県警サイバー犯罪対策課は19日までに、楽天モバイルのシステムへ他人の情報で接続し通信回線を契約した疑いなどで、愛媛県新居浜市の18歳と神奈川県平塚市の17歳を相次いで逮捕した。不正に作られた回線は少なくとも2100件を超え、一部は犯罪グループに流れたとみられている。
高校生2人が担った「契約役」と「転売役」
18歳の少年は、インターネット上に流出していた他人のIDとパスワードを集め、楽天モバイルの顧客アカウントに次々とログインしていたとされる。そこから本人になりすまして新たな通信回線を申し込み、短時間のうちに膨大な数を契約していたという。本人が「数え切れないほど契約して売った」と話していることから、警察は把握している2100回線以上のほかにも余罪があるとみて捜査を進めている。
一方の17歳は、SNSで知り合った相手としてこの18歳とつながり、不正に作られた回線を買い取る役割を担っていたとされる。2人は秘匿性の高い通信アプリを使い連絡を取り合い、入手した回線情報をさらに第三者へ転売していたという。少なくとも180回線が犯罪グループ側に渡った疑いがあり、特殊詐欺や闇バイトなどに悪用された可能性もある。18歳は容疑を認める一方、17歳は関与を一部否認しており、実際にどこまで仕組みを理解していたかが今後の焦点になる。
eSIMとID流出が生んだ「使い捨て回線」の闇
18歳の逮捕容疑は、6月に愛知県内の男性ら7人のアカウント情報を悪用して楽天モバイルのシステムに接続し、他人名義で回線契約を行ったというものだ。17歳については、2月ごろに楽天モバイルの通信に必要なeSIM(端末に内蔵されたデジタル式のSIM)を転売する犯罪グループから、他人名義のクレジットカード情報を有償で受け取った疑いが持たれている。物理カードを介さず契約できるeSIMは便利な一方、情報だけでやり取りできるため、不正ルートに乗ると痕跡が見えにくいという弱点も浮かぶ。
楽天モバイルの回線を狙った不正アクセスは、今回に限った話ではない。2025年初めには、別の中高生グループが生成AIを使った自作プログラムで多数のアカウントに不正ログインし、100件規模の回線契約を行ったとして警視庁に逮捕されている。こうした事態を受け、総務省は夏に楽天モバイルへ行政指導を行い、不正アクセス検知や本人確認の強化を求めた。流出IDと使い回しのパスワード、eSIMの転売構造、そして未成年が担う「使い捨て回線」の供給源という三つが重なり合い、見えにくい犯罪インフラが静かに形を変えている。