プーチン公邸に無人機91機攻撃主張、露側に対しウクライナ否定

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2025.12.30

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ロシアのラブロフ外相は2025年12月29日、ウクライナが28日夜から29日未明にかけ、露西部ノブゴロド州にあるプーチン大統領の公邸を長距離ドローン（無人機）91機で攻撃しようとしたと主張した。ロシア側は全機を撃墜し、被害はなかったとしている。ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、主張は虚偽だとして全面否定し、ロシアが追加の長距離攻撃を正当化しようとしていると反発した。

「報復の標的と日時」を示したロシア、現場の警戒が先に立つ

ロシア外務省系の発表文では、91機の無人機は露軍の防空で破壊され、死傷者や物的損害の報告はないとしている。一方で、露軍が報復攻撃の標的と実施時期をすでに選定したとも述べ、和平交渉での立場を見直す考えを示した。攻撃の成否よりも、「次はいつ、どこが狙われるのか」という不確実性が先に立つ局面だ。

無人機攻撃は、迎撃に成功しても警戒態勢や空域の運用に負担が残る。とりわけ「大統領公邸」という象徴的な場所をめぐる主張は、国内向けの結束と対外的な圧力の両方に直結しやすい。ただ、現時点で第三者が被害状況や飛来の事実関係を独立に確認できる材料は限られ、応酬が先行すれば誤算を招くリスクが増す。

ウクライナは否定、交渉の場では「説明責任」が争点になり得る

ゼレンスキー氏は、ロシアの主張は和平に向けた米国とウクライナの動きを壊すための情報戦だと位置付け、攻撃の事実を否定した。Reutersは、プーチン氏が米国のトランプ大統領との電話協議で今回の件を伝え、交渉姿勢の見直しに言及したとも報じている。戦場の動きだけでなく、交渉の空気が「どちらの説明が国際的に通るか」に左右される展開が強まっている。

論点は、攻撃の事実そのものに加え、主張が「追加攻撃の根拠」や「交渉条件の再設定」に使われる点にある。ロシアは報復を予告し、ウクライナは口実づくりだと批判するが、検証の不足は双方にとって都合よく働き得る。市民の側から見れば、首都キーウなどへの長距離攻撃が強まるのか、停戦や交渉の窓が狭まるのかが、当面の現実的な焦点になる。

「報復の標的と日時」を示したロシア、現場の警戒が先に立つ

ウクライナは否定、交渉の場では「説明責任」が争点になり得る

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