子どもの誕生日パーティー会場で銃撃　米カリフォルニアで4人死亡10人負傷

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2025.11.30

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米西部カリフォルニア州ストックトンで11月29日夕、家族の集まりが開かれていたパーティー会場で銃撃が起き、少なくとも4人が死亡、10人がけがをした。子どもの誕生日を祝う場だったとされ、週末の静かな商業エリアは一転してサイレンと悲鳴に包まれた。家族で集うはずの場がなぜ暴力にさらされたのか、その背景と波紋を追う。

誕生日会が一転、銃撃現場に　家族の時間を襲った暴力

銃撃があったのはストックトン市内ルシル通り沿いの宴会場で、午後6時前後に通報が相次いだ。保安官事務所によると、現場では子どもを含む14人が撃たれ、うち4人が死亡、10人が負傷して病院に運ばれたとされる。

宴会場はアイスクリーム店や子ども向け劇場と駐車場を共有する、家族連れが集まりやすい一角にある。地元紙サンフランシスコ・クロニクルやロサンゼルス・タイムズなどの報道では、当時は子どもの誕生日パーティーが開かれており、祝いの飾り付けが残る中で捜査員が弾痕を確認する様子が伝えられた。

誰もが安全だと信じていた行事の場が一瞬で暴力の現場に変わったことは、地域社会に深い衝撃を与えている。ワシントン・ポストやAP通信など各紙の取材に、市の副市長や州知事は、家族の時間が銃撃に脅かされる現実への怒りと、被害者家族への支援の必要性を強く訴えている。

捜査と残された問い　「標的型」銃撃が示すリスク

サンホアキン郡保安官事務所は記者会見で、初期の情報から今回の事件は「狙いを定めた犯行」の可能性が高いと説明したが、動機は依然不明で、容疑者も逃走中だと明らかにした。現場周辺には広く規制線が張られ、警察は監視カメラ映像や目撃証言の提供を市民に呼びかけている。

祝いや追悼など、身近な行事での銃撃は近年の全米の事件の中でも目立ち始めており、研究者は「警備を想定していない場所ほど被害が大きくなりやすい」と指摘する。前日には、同じ北カリフォルニアのショッピングモールでも発砲事件が起きており、人が集まる場をどう守るかが改めて問われている。

銃規制を巡る全米レベルの議論は続いているが、今回のように特定の家族やグループが狙われたとみられる事件では、法制度だけでなく、地域内での対立や犯罪組織の関与など複数の要因が交差することが多い。住民にとっては、真相の解明と責任の所在の明確化が、再び安心して子どもの誕生日を祝える日常を取り戻すための第一歩となる。