米財務長官、日銀の独立尊重を要請 円は一時151円台後半に反発
来日中の米財務長官ベッセント氏が日銀の裁量尊重を要請したことが伝わり、日銀会合直前の市場で円は対ドルで151円台後半まで戻し、中央銀行独立や為替動向への懸念が広がった。発言は29日のX投稿と28日の米財務省声明に連なるもので、物価観測や金融政策の自律性が改めて注目された。
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来日中の米財務長官ベッセント氏が日銀の裁量尊重を要請したことが伝わり、日銀会合直前の市場で円は対ドルで151円台後半まで戻し、中央銀行独立や為替動向への懸念が広がった。発言は29日のX投稿と28日の米財務省声明に連なるもので、物価観測や金融政策の自律性が改めて注目された。
総務省が発表した9月のコアCPI(生鮮除く)は前年比2.9%上昇、4カ月ぶりに伸び率拡大。エネルギー価格の反転が物価を押し上げ、先行きの金融政策や賃金・物価循環の行方が注目される。市場では長短金利や株価の動向、企業の賃上げ見通しに注目が集まる。
秋の風が潮の匂いを運ぶ早朝の兜町。2025年10月9日、植田和男総裁は就任2年半で任期折返しを迎える。高市早苗氏の自民党新総裁就任で、市場は日銀の独立性と物価対策、金融政策の先行きを厳しく見極めようとしている。為替や国債市場の反応も注目され、投資家は次の政策転換を探る。
秋晴れの大阪で植田和男総裁は「予断を持たず政策を判断」と強調。物価目標や上下リスクを点検し必要なら手を打つ姿勢を示した。国債・ETF見直しや9月短観を受け、日銀の金融政策正常化の歩幅に市場の注目が集まる。スーツ姿の聴衆が静まり返る会場での一言が市場心理に影響しそうだ。
シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、政府機関の一部閉鎖は規模と期間次第で影響が変わり、歴史的に短期収束が多く経済打撃は限定的と説明。企業活動や消費への影響も限定的になり得るが、関税の物価押し上げは一時的とし、インフレ持続なら金融政策の舵取りが一段と難しくなると警戒した。
日本銀行は9月の金融政策決定会合での「主な意見」を公表。利上げ議論が進む一方、データ点検優先の慎重論も根強く、ETF売却方針で資産圧縮に踏み出し、金融市場は利上げ時期や長期金利動向を注視する見通しだ。物価や経済成長の見通しも焦点となる。