日本ガイシが代表に選定、TFLN光技術研究をNEDO採択し室温光量子の実用化と国産標準化を推進

日本ガイシ主導、TFLN光技術で「ポスト5G」量子産業基盤を構築

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日本ガイシが代表事業者を務める「光量子コンピュータ産業化に向けたTFLN光技術の研究開発」が、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に採択された。2025年度からの3か年で、光集積回路に不可欠なTFLNウエハーを開発し、室温で動く光量子コンピューターの実用化と国産標準づくりを進める。

薄膜ニオブ酸リチウムで回路をつくる

採択の知らせが社内に届いたのは2025年10月23日。製造や研究の担当者が、量産へ向けた工程票を手に机を囲み、役割分担を確認していた。NEDOの枠組みで整う予算と評価のもと、同社は代表として開発の推進と取りまとめを担う。計画期間中は、要素技術を回路レベルへ橋渡しする工程が焦点になる。

中核に据えるのがTFLNウエハーだ。ニオブ酸リチウムを薄く加工した機能層と、シリコンなどの基板を重ねた複合材料で、光を操る変調器やスイッチの心臓部となる。光集積回路の高密度化に欠かせず、信号遅延を抑えつつ設計自由度を高められる点が、量子の干渉を正確に制御したい用途に向く。

海外では産業化に向けた投資が加速しており、装置や部材の供給網づくりも先行している。国内に選択肢を持つ意味は、持続的な供給と競争力の確保にある。今回の採択は、試作と生産をつなぐ実装技術を国内で磨く機会となり、研究成果の社会実装にひとつ筋道を通す。

接着剤を使わない貼り合わせ

日本ガイシは長年の複合ウエハー開発で培った直接接合技術を持つ。室温で接着剤を使わずに異なる材料を高精度に貼り合わせ、界面の欠陥や不純物の混入を抑えるのが特長だ。材料本来の電気光学特性を保ちやすく、光の損失を最小限に抑えたデバイス作りに向くため、回路の安定動作に直結する。

もうひとつの肝が超精密研磨だ。機能層の厚みをナノメートル単位で均一に整えることで、光導波路の寸法誤差を小さくし、デバイスごとのばらつきを抑えられる。薄型化は熱伝導や実装密度にも効いてくる。ウエハーの反りや表面粗さを制御する地道な工程が、量産移行時の歩留まりとコストを左右する。

同社はこれらの基盤技術を束ね、光集積回路に適したウエハー仕様をまとめる。プロセス条件の最適化や評価系の整備、協業先とのインターフェース定義まで含めて、開発の射程は材料からシステムへと広がる。採択テーマの下、企業と研究機関の連携を通じて、供給網の実装力を底上げしていく。

室温で動く強みを産業へ

冷却が重い従来方式の量子コンピューターでは、極低温環境の維持に大きなエネルギーを要する。装置は大型化し、設備費と運用コストがのしかかる。生成AIの拡大で計算需要が膨らむなか、省エネと高密度配置の両立は避けて通れない条件になっている。

光方式は室温で動作するため、冷却設備を必要としない。既存の光ファイバーとの親和性も高く、通信網と近い場所で処理を分散させる構成と相性がよい。TFLNは高速変調や低損失の点で有利とされ、回路のスケール化が進めば、演算の並列度を高めつつ消費電力を抑える道が見えてくる。

標準化の動きも計画に織り込まれている。代表事業者として同社は、部材仕様や評価手順の整合を進め、国内メーカーの参画余地を広げる狙いだ。関係者は静かに次の工程に手を伸ばしていた。小さなウエハーの積み重ねが、やがて産業の器を形づくる。

参考・出典

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