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角の落ちた直方体のボディがライトに浮かび、会場にどよめきが広がった。トヨタは2025年10月21日、新型「ランドクルーザーFJ」を世界初公開した。シリーズの核である信頼性と耐久性、悪路走破性を守りつつ、“Freedom & Joy”という新しい価値で体験の間口を広げる狙いだ。日本での発売は2026年年央が予定されている。
小さく、強く。FJが掲げる“Freedom & Joy”
発表は、ランドクルーザーの長い歴史への眼差しとともに始まった。1951年に「トヨタBJ」として誕生し、富士山六合目到達を果たして以来、「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」という使命を背負って磨かれてきた系譜である。累計販売は1215万台超、190以上の国と地域で使われてきたという数字が、現場の空気を引き締めていた。
現在のランドクルーザーは、最新技術を担うフラッグシップの300、働くクルマの70、原点回帰の250という三つの柱で構成される。そこに新たに加わるのがFJであり、シリーズの価値をより幅広い生活圏へ届ける役割を帯びる。車名が象徴するのは「自由と喜び」。自分らしい楽しみ方でランクルに触れる入り口を広げる存在と映る。
お披露目の次なる舞台は、2025年10月30日から11月9日に開催される「Japan Mobility Show 2025」である。会場ではプロトタイプが展示され、デザインスケッチや関連アイテムも紹介される見込みだ。公開された公式画像は30点に及び、凝縮感あるパッケージのディテールが手に取るように伝わってくる。
直方体の存在感と実用の知恵
エクステリアは「サイコロ」をモチーフにした角の取れた直方体だ。四角いキャビンが居住性と荷室性を担保し、絞り込んだ面で軽快さを表現する。前後のコーナーバンパーは分割式で、損傷時に必要な部分だけを交換できる設計とした。堅牢な造形の中に、使い手が手を入れやすい余白を残す思想がのぞく。
室内は水平基調のインストルメントパネルで姿勢変化を把握しやすくし、モニターやスイッチを視線移動の少ない位置に集約した。低いカウルとベルトラインが前方と足元の見通しを高め、未舗装路でも路面の読みに集中できる。予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を備え、日常から冒険まで一貫した安心感を支える構えである。
外観の遊び心も忘れない。丸目ヘッドライトの意匠や、好みの装備で表情を変えられる発想を織り込み、ユーザーが「自分のFJ」を育てる余地を広く取った。分割式バンパーの採用は修理性の向上と同時にカスタマイズの自由度にもつながり、道具としての合理と趣味性の同居が際立つ。
IMV骨格と2.7L、機動力で切り拓く
骨格には世界各地で鍛えられてきたIMV系のプラットフォームを活用する。ホイールベースは2580mmで、250シリーズ比270mm短い。最小回転半径は5.5mとされ、街中の取り回しから林道の切り返しまで軽やかにこなす。床下ブレースの追加やボディ剛性の最適化も図られ、オンロードの操縦安定性も抜かりないと映る。
悪路性能は、地上高やアプローチ角の確保に加え、タイヤ接地性を左右するホイールアーティキュレーションで70シリーズに匹敵する水準を狙ったという。実地のオフロード試験で改善点を洗い出し、信頼性・耐久性・走破性という「ランクル三本柱」を小柄なボディに凝縮した設計思想が読み取れる。
心臓部は2TR-FE型2.7リッターガソリン。最高出力120kW(163PS)、最大トルク246Nmを発生し、6速AT(Super ECT)とパートタイム4WDを組み合わせる。むやみに数値を追わず、整備性と耐久性を重視した素性のよさで、さまざまな環境に耐える「頼れる相棒」を目指す姿が浮かぶ。
広がる楽しみ、カスタマイズと新モビリティ
FJは「行きたい場所」を増やす道具でもある。MOLLEパネルのようにアウトドア装備を自在に取り付けられる発想や、各種エクステリアアイテムの展開が示され、モデルライフを通じて楽しみを拡張する方針だ。地域によって内容や導入時期が異なる見通しで、ユーザーごとの使い方に寄り添う幅の広さが魅力となる。
同時に披露された電動パーソナルモビリティ「ランド・ホッパー」も目を引いた。人とモノを運べる小型の新提案で、車両のラゲッジに積み込み、目的地のさらにその先のトレイルで“もう一歩”遊べる移動の余白をつくる。発売時期は未定だが、クルマと人の行動半径を連動させるアクセントになりそうだ。
FJは2026年年央に日本導入予定だ。三つの柱に続く新顔は、ランクルの原点にある実用性を小さな器に閉じ込め、自由と喜びを自分の手で広げるための「余白」を備えた。次の現場は10月30日開幕のショー会場。実物に触れた人々が何を語るのか、その反応に本格デビューへのヒントが宿るとみられる。