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草地に散らばる機体片の間を、捜索隊が走った。トルコ空軍のC-130輸送機が2025年11月11日、アゼルバイジャンを離陸後にジョージアで墜落した。乗員・隊員20人が搭乗しており、12日にトルコ国防相が全員の死亡を確認した。原因は調査中だ。
現場で続く捜索と初期情報
ジョージア東部のカヘティ地方シグナギ近郊、国境から約5kmの草地に残骸が広がり、現地当局は捜索救助を続けている。事故は11日に発生し、アゼルバイジャン側の空港を離陸した軍用機がジョージア領空に入った後ほどなく消息を絶ったとされる。散在する破片の一部はなお発火の痕跡を残し、立ち入りは厳しく制限されている。
墜落したのはC-130ハーキュリーズ（兵員や物資を輸送する軍用機）で、短い滑走路でも運用できる汎用性で知られる。地上から撮影された映像には、機体が地面に向け螺旋を描くように降下する様子が映るが、真偽の確認は進行中で、公式機関は結論を急がない姿勢だ。構造破損、操縦系統、気象や空域の要因など、絞り込みはこれからになる。
トルコ国防省は11日の段階で搭乗者を20人と明らかにし、12日にギュレル国防相が全員の死亡を発表した。ジョージア内務当局は刑法275条4項（航空の安全や運用規則の違反による死亡）に基づく捜査に着手し、飛行計画、整備記録、交信履歴の検証を並行して進める。現場の保全と情報の分配は両国が共同で担う。
広がる波紋と連携の手順
エルドアン大統領は演説を中断して哀悼の意を表し、アゼルバイジャンとジョージアの要人と直ちに連絡を取り合った。外相・国防相級の通話で状況共有が進み、現場には双方の捜索隊が入り、遺体の収容と残骸の回収、飛散範囲の測量が段階的に行われている。隣り合う国境地帯という地理は、合同対応の速度を左右し、初動の連携を後押しした。
地形はなだらかな丘陵で、破片は広い範囲に散在していると伝えられる。証拠保全のため立ち入りは必要最小限に限られ、事故調査は気象や運航、整備、空域管理の各面から照合される見通しだ。軍事案件でも調査の基本は民間機と同様で、事実の積み重ねで因果関係を再構成する。哀悼の言葉が先行する一方で、記録の確認は静かだが着実に進む。
