英国最高裁 人工ニューラルネットワーク利用発明を原則特許化、審査実務に影響

AI技術の特許対象化、英最高裁が容認 ANN発明で新基準

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AIの特許をめぐる線引きが英国で動いた。英最高裁は2月11日、機械学習に使う人工ニューラルネットワーク(ANN)を用いた発明は、原則として特許の対象になり得ると判断した。ソフトウェア系の出願をめぐる審査実務にも影響が広がりそうだ。

ANN特許適格性 英最高裁判断

判断の対象は、Emotional Perception AI(EPAI)が出願した「ANNで媒体ファイルを推薦する仕組み」だ。音楽や動画、文章などのファイルについて、物理的に測れる特徴量をもとに、似た感情反応を起こしそうな別のファイルを勧めることを狙う。

争点は、特許法(Patents Act 1977)にある「コンピュータプログラム…そのもの」は発明に当たらない、という除外規定の扱いだった。下級審では判断が割れ、英国特許庁(UKIPO)の拒絶、知財高裁に当たる高等法院での逆転、さらに控訴院での再逆転という経緯をたどっていた。

英最高裁は今回、ANNを理由に一律に「プログラムそのもの」とみなして門前払いする考え方を退け、特許の対象になり得る余地を明確にした。あわせて、約20年にわたり参照されてきた判断枠組み(Aerotel)の位置づけにも踏み込んだ。

審査実務転換 企業と弁護士の反応

実務家の間では、AI関連の出願で「対象外」とされるリスクが下がるとして歓迎が広がっている。ルイス・シルキンなどは、コンピュータ実装発明の審査のハードルが下がり得る点を指摘し、欧州特許庁(EPO)の考え方に近づく可能性に触れている。

一方で、ANNを使うというだけで自動的に特許が取れるわけではない。新規性や進歩性の審査は別に残る。さらに、出願の書き方次第では「技術的な貢献」が乏しいとして争点が残りうるため、企業側には権利化の設計力がより問われる局面に入る。

今回の判断は、AI活用の発明を「除外規定」で早期に切り落とすより、個別の技術内容で評価する方向へ実務を押し出す。企業側には、装置構成や処理手順、技術的効果をより具体化した出願戦略や、公開と秘匿の線引きをどう設計するかが、実務上の課題として浮上しそうだ。

参考・出典

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