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夜明け前のティザー映像に砂塵が舞い、見慣れた顔が次々と振り返る。TBSは2025年10月21日、日曜劇場「VIVANT」続編のキャスト26人を発表した。阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、松坂桃李らが名を連ね、放送は2026年の毎週日曜21時枠とされた。物語は前作のラスト直後から動き出すと予告され、熱を帯びた期待が広がっている。
26人の続投が告げる期待
発表は2025年10月21日 04:00に各メディアで一斉に解禁された。主演の堺雅人を軸に、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、松坂桃李らの出演が改めて示された。総勢26人というボリュームは、世界観の拡張と人間関係の再配置を予感させる。新章の地図が大づかみに描かれた格好である。
役どころも一部が明かされた。阿部は警視庁公安部の野崎守、二階堂は乃木と惹かれ合う医師・柚木薫、二宮はテントのナンバー2にして乃木の弟・ノコル、松坂は別班の相棒・黒須駿として続投する。前作の核にいた四人の視点が再び交差し、均衡が崩れる瞬間を待つ緊張が漂う。
同時に新映像も公開され、緊迫したカットが矢継ぎ早に差し込まれた。詳細なプロットは伏せられたままだが、「前作ラストから直結」というメッセージは明確だ。赤い饅頭の余韻が画面の端々に滲み、伏線の再始動を示すサインが濃くなると映る。
舞台はアゼルバイジャンへ
続編は2か月超に及ぶ大規模ロケをアゼルバイジャンで敢行中とされる。砂漠の淡い光と都市の幾何学的なスカイラインが交互に現れ、コーカサスの空気感が画面に刻まれる。国境をまたぐ作戦行動を想起させるビジュアルで、世界を横断する物語のスケールが浮かぶ。
ロケ地選定の詳細は現時点で明かされていない。ただ、その規模と期間は制作体制の進化を語るに十分だ。前作も海外ロケが画作りを押し広げたが、今回はより長期・大規模である。キャスト26人という厚みと相まって、視覚とドラマの密度が一段と高まるとみられる。
現地撮影には安全面や許認可の綿密な調整が欠かせない。アゼルバイジャンという選択は、多文化と地政学が交差する舞台を得る意味を持つだろう。都市と荒野をつなぐ移動のダイナミズムがティザーからも読み取れ、追走と潜入が交錯する展開が予感される。
前作からの直結と物語の輪郭
続編は前作のラストシーン直後から始まるとされた。丸菱商事の社員でありながら自衛隊直轄の非公認組織・別班の諜報員という二重の顔を持つ乃木憂助は、父ノゴーン・ベキと対峙し、引き金を引いた結末で視聴者を静まり返らせた。赤い饅頭が置かれたラストは象徴的である。
今回の発表は、あの余韻を途切れさせない設計を示唆する。公安の野崎、医師の薫、別班の黒須、そしてノコル。大義も立場も異なる面々が、再び同じテーブルに着く構図だ。誰が“正しさ”を握るのか。視点の切り替えが物語の推進力となり、緊張の糸が再び張られる。
細部は依然ベールに包まれている。それでも「26人」というキーワード、長期の海外ロケ、初の本編映像という三点が揃った時点で、制作側の自信と賭けの大きさは隠しきれない。日曜21時の帰還まで、断片の積み重ねが想像を加速させる段階に入ったといえる。
