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米Alphabet傘下の自動運転開発会社Waymoは現地時間12月23日、サンフランシスコで12月20日に起きた大規模停電の際、ロボタクシーの一部が立ち往生して渋滞を悪化させたとして、運行ソフトウエアの更新と緊急時の対応手順の見直しを進める方針を示した。停電は変電所火災が引き金となり、市内の信号も広範囲で消えた。
止まる安全が、道を塞ぐリスクに変わった
Waymoの車両は、信号が機能しない交差点を四方向停止のように扱う設計だが、今回の停電では「安全確認」の要求が一気に増え、判断の待ち時間が積み上がった。交差点の手前で前の車に続いて列が伸び、後続の一般車が身動きできなくなる場面も出た。信号が消えると、道路のルール自体が体感として変わる。
交通の混乱が広がるなかで、Waymoはサービスを一時停止し、車両を退避させる対応を取った。その後、翌日に運行を再開した。停電の日は公共交通にも影響が出ており、都市全体の移動が細くなったところへ、止まった無人車が加わった格好だ。緊急車両の動線を確保できるかが、利用者以外にとっても切実な論点になる。
更新で補うのは「停電という文脈」と連絡の筋道
Waymoは、停電時に車両側が状況をより的確に理解できるよう、車隊全体に向けたソフト更新を行う考えを示した。狙いは、交差点ごとの確認が指令側へ雪崩れ込む事態を抑え、安全を守りつつ交通の流れも極端に詰まらせないことだ。Reutersは、カリフォルニア州当局が一連の対応を確認しているとも伝えている。
今回の教訓は、自動運転が「走れるか」だけでなく、「走れないときにどう道を空けるか」を問われる段階に入った点にある。停電のようにインフラ側が崩れる日は、現場の警察や消防、交通当局との連携が、アルゴリズムと同じくらい結果を左右する。利用者にとっては、便利さの裏側で非常時の手順が磨かれているかが、安心の材料になりそうだ。
参考・出典
- Waymo to update software after San Francisco power outage snarls self-driving vehicles
- Waymo resumes service in San Francisco after robotaxis stall during blackout | TechCrunch
- Mass power outages black out large parts of San Francisco and disrupt traffic | San Francisco | The Guardian
- San Francisco outages leaves 130,000 without power – ABC News
- Crews aim to fully restore power in San Francisco by Monday afternoon | AP News
