イエメン南部独立派STCが空爆主張　サウジと陣営内亀裂

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2025.12.28

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イエメン南部の独立派、南部暫定評議会（STC、UAEが支援）は2025年12月26日、自派の拠点がサウジアラビアによるものとされる空爆を受けたと主張したうえで、動揺はないとの立場を示した。サウジ側が前日に東部2州からの撤収を求めていた直後で、内戦の「対外」より先に、陣営内の亀裂が表に出る形になっている。

空爆の焦点は東部ハドラマウト、STCは撤退を拒む

Reutersは、空爆は東部ハドラマウト州でSTC系部隊の位置を狙ったと伝えた。攻撃は26日未明に起き、サウジ側は空爆を公式には確認していないという。現地では爆発音が聞こえ、砂漠地帯の上に煙が上がる映像も出回ったとされる。被害の全体像は限られた情報のままだが、直前まで「仲介」で収めようとしていた構図が変わりうる点が重い。

STCは、東部のマフラ州やハドラマウト州に展開した理由について、治安上の脅威への対応や、北部を支配するフーシ派（親イラン武装組織）への補給遮断を挙げているとReutersは報じた。STCの最終目標は、1990年の統一前に存在した「南イエメン」の復活だ。港湾都市アデンでは独立を求める集会が開かれたともThe Guardianが伝えており、空爆は軍事だけでなく政治の温度も押し上げかねない。

サウジ主導連合は「即応」を示唆、仲介の試金石に

空爆の余韻が残る中、サウジ主導の連合は27日、ハドラマウトで緊張緩和を損なう動きには対処すると表明した。AP通信によると、連合報道官は民間人保護を理由に「直接かつ即時」に対応する姿勢を示した。Reutersは、国際的に承認される政権側の統治機構、大統領指導評議会（PLC）の議長が連合に措置を要請したと伝える。サウジのハーリド国防相も、STCに沈静化と拠点引き渡しを促した。

論点は、フーシ派との対立を抱えたまま「南部の権力配置」をどう畳むかだ。サウジが軍事圧力を強めれば、UAEが支えるSTCとの関係がこじれ、反フーシ派側の統一行動が削がれる恐れがある。一方で、STCの既成事実を追認すれば、政府側の統治の正統性が揺らぎ、政治プロセスでの着地点も狭まる。残る選択肢は、撤収と権限移管を条件付きで進める仲介か、南部問題を包括合意のテーブルに載せるかだという問いが、いまは最前線に近づいている。

空爆の焦点は東部ハドラマウト、STCは撤退を拒む

サウジ主導連合は「即応」を示唆、仲介の試金石に

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