課題なしの仮想島でAIが自ら「遊び」を始めた MITがEkoの30時間探索と学習効果を報告

課題なしの仮想島でAIが自ら「遊び」を始めた MITがEkoの30時間探索と学習効果を報告

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

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MITの研究チームは、仮想の島で具体的な課題を与えずに活動させたAIエージェント「Eko」が、自ら挑戦を設定し、遊びに似た行動を示したと報告した。探索経験をテキストの記憶に残したEkoは、後の課題でも概ね良い成績を示した。研究成果は2026年10月5日にarXivへ投稿された査読前の論文で発表された。

探索の記録が後の課題にどう役立つか

研究チームが調べたのは、課題を指定しない探索で得た経験を、後から与えられる目標の達成に利用できるかという点だ。主実験では、Claude Code上のClaude Opus 4.7を使った独立したEko 13体を、それぞれ30時間活動させた。

Ekoは島の画像を見るのではなく、物体の位置や形状などをテキスト情報として読み取り、移動、跳躍、運搬、投擲などを行った。島と会話セッションは1時間ごとに初期化したが、記憶やノート、プログラムを含む作業領域は保持した。経験は編集可能なテキストファイルに蓄積され、基盤モデルの重みは変更していない。

その後、経験済みの13体と事前経験のない同一構成の13体を、目標を指定した四つの課題で比較した。各課題の制限時間は1時間。5個のブロックからなる塔を2本より多く建設できた個体は経験済み群で8体、未経験群で2体だった。また、島の高所「Spire」に配置した物体数は平均10.3個対3.5個だった。一方、単一の塔の最大高さでは両群の成績は概ね同等であり、すべての課題で経験済み群が優位だったわけではない。

記憶のどの部分が役立ったかも調べた。特定の技法についての記述を削除すると、対応する課題の成績が低下した一方、誤った信念を記憶から取り除くと改善がみられたという。この介入の反復評価は選ばれた3体の経験済みエージェントの記憶履歴を使って行ったもので、独立に獲得した多数の経験履歴を評価したものではない。

自由な探索には、人間側による設定もあった。Ekoには好奇心や探索志向を記した人格ファイルと、活動を自動的に継続させる指示が与えられていた。人格ファイル「SOUL.md」を外し、システム指示も簡略化した追加の5体について、著者らは活動範囲に明確な違いは観察されなかったと記している。

研究チームが「遊び」として扱うのは、自ら活動や挑戦を設定するなどの行動的な特徴だ。楽しさといった主観的経験があるかどうかは未解決としている。今回の実験は、こうした探索で残された外部記憶が、後の課題遂行にどう寄与するかを調べたものだ。

参考・出典

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