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2025年12月10日朝、秋田県大館市比内町大葛の養鶏農家で、比内地鶏約300羽が死んでいるのが見つかった。鶏舎の周囲にクマの足跡があり、市は侵入したクマに襲われた可能性が高いとみて、同日、付近に箱わなを設置し警戒を呼びかけた。
鶏舎の中で起きた「圧死」が示す脆さ
鶏舎は自宅裏にあり、死んだ鶏の大半はヒナだった。食べられたものもあったが、被害の中心は圧死で、クマに驚いた鶏が一斉に押し合ったとみられる。捕食だけでなく「パニック」が損失を膨らませた形だ。
こうした被害は、クマが入った瞬間の被害の出方が読みにくい。扉や壁の隙間を減らす補修、夜間の見回りが可能な照明、飼料や生ごみの管理など、侵入を前提にした備えが問われる。捕獲に頼り切るほど、現場の負担は重くなる。
箱わな設置、それでも残る暮らしの不安
周辺では12月9日、近くの民家で飼い犬が死んでいるのも見つかっていた。市が箱わなを設置したのは被害が連続しているとの受け止めがあるからだが、設置後も住民側は通学路や屋外作業をどう守るか判断を迫られる。
テレビ朝日などは、各地で鶏舎が狙われる例や人身被害も相次ぐ状況を伝えている。農家や集落だけに緊張を背負わせず、出没情報の共有や巡回、電気柵などの費用支援を平時から回せるかが、次の被害を小さくする鍵になりそうだ。
