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キャンベラの議場で、巨大プラットフォームの空気が変わりつつある。16歳未満のSNS利用を禁じる豪州の新制度が12月10日に実効化する見通しのなか、各社は反対を唱えつつも順守へ舵を切る構えだ。焦点は、未成年アカウントの扱いと家庭への影響であり、現場の戸惑いと準備が交錯している。
企業は反対のまま、順守へ
2025年10月28日、連邦議会の環境・通信委員会は、未成年のオンライン保護を巡る公聴会を予定した。傍聴席には保護者団体と研究者、業界関係者が集い、静かな緊張が漂った。注目は、主要SNSを運営する企業の姿勢に集まり、制度の最終局面を占う場となった。
これまでMetaやByteDance、Snapは、年齢制限が若者を監視の届かない領域に追いやると主張してきた経緯がある。一方で、法の実効日が迫るにつれ、各社は審査手続や年齢推定の強化、アカウント運用の見直しなど準備を進めるとみられる。反対と順守が同居する現実が浮かぶ。
一部報道では、担当幹部が「賛同はしないが順守する」とのトーンを示したとされる。ただ、発言の詳細は現時点で公開資料から十分に確認できない。実務に落ちる合意は、監督当局の指針と技術検証、そして12月10日の立ち上がりで輪郭が見えると映る。
法律が定める「16歳未満の壁」
根拠となるのは、オンライン安全法の改正である。新枠組みは、一定のSNSに対し、16歳未満のアカウントの新規作成や保有を防ぐための「合理的措置」を義務付けた。責務はプラットフォーム側に置かれ、基準づくりや運用監督はeSafetyが担う設計だ。
制度は2024年12月に成立後、準備期間を経て発効する段取りとなり、実効義務は2025年12月10日に開始する。以降、対象サービスは違反防止の仕組みを常時運用し、年齢推定や年齢推論など複数の技術を重ねて、未成年の新規登録や既存アカウントの維持を抑止する必要がある。
プライバシー面では、政府発行IDの提示をプラットフォームが強制してはならないと明確にされた。年齢確認の手段は単一ではなく、利用者の選択肢を確保すること、収集した個人情報の目的外利用を禁じ、保管と破棄の管理を徹底することが求められている。
現場で起きること、家族が備えること
eSafetyは、対象プラットフォームに対し、16歳未満のアカウントを見つけて削除または非活性化する手順を示している。非活性化なら満16歳で再開できる場合もあるが、利用者がそれに依存すべきではないとの注意喚起が出され、移行期の混乱回避が課題となる。
当局は、未成年の利用者と家族に向け、12月10日までに保存したい投稿や写真、連絡先、メッセージ履歴をダウンロードしておくよう促している。学校行事や部活動の連絡網がSNSに偏っているなら、メールや掲示アプリなど代替手段を整える必要が広がっている。
完全な封じ込めは難しいとの現実もある。VPNや偽造ID、生成AIによる年齢詐称への対策が続く一方、企業は言語解析や行動シグナルなど多層の手掛かりを重ねる設計に移行する見通しだ。制度は万能ではないが、無策ではないという折り合いが見えてきた。
