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欧州で「域内にデータを置き、域内の人員が運用する」クラウド需要が一段と強まっている。米Amazonのクラウド部門AWSは2026年1月15日、EU域内にデータを保管する「欧州主権クラウド」を開始したと発表した。米企業依存への警戒感を、仕組みで和らげる狙いがある。
「EUの外に出ない」運用設計 規制産業の不安を照準
ロイターによると、欧州主権クラウドのデータセンターは、AWSの他地域インフラから物理面だけでなく法的にも切り離す設計である。さらに同報道では、EUが広域インターネットから遮断された場合や、米国がソフトウエア輸出を禁止した場合でも継続できるようにしたという。つまり、単なる「保管場所のEU化」ではなく、地政学リスクまで織り込んだ分離運用を前面に出した格好だ。
背景には、域外当局のアクセス懸念が根強いことがある。ロイターは、米国で2018年に成立したCLOUD Act(クラウド法)が域外データにも影響し得る点が欧州側の不安を増幅させてきたと伝える。欧州の行政機関や重要インフラ、金融など規制の強い業種ほど、監督当局への説明責任とサプライヤー集中リスクが課題になりやすい。主権クラウドは、その「説明のしやすさ」を製品として提供する動きでもある。
投資と拡張の先にある競争 欧州のクラウド構図は変わるか
About Amazonは、AWS European Sovereign CloudがEU域内にあり、他のAWSリージョンから物理的・論理的に分離した独立クラウドとして一般提供を開始したとしている。過去の計画として同社は、ドイツでのインフラ整備に総額78億ユーロを投じ、最初のリージョンはブランデンブルク州に置く方針を示してきた。AWSのセキュリティブログでも、既存AWSと同等のアーキテクチャやAPIの使い勝手を保ちつつ、主権要件に合わせるロードマップを掲げている。狙いは「EU内完結」と「従来AWSの利便性」を両立させ、移行コストの心理的障壁を下げる点にある。
ただ、主権クラウドの拡大は、欧州のクラウド市場を一体化させるというより、用途別・規制別に“複線化”させる可能性がある。TechCrunchは以前から、AWSがドイツで新たな法人枠組みを整えるなど、運用ガバナンス自体を欧州仕様に寄せていると報じてきた。今後はMicrosoftやGoogleなど競合も含め、分離度合い(誰が運用し、どこまで独立し、非常時に何が継続できるか)が調達要件の差別化軸になりやすい。欧州の規制強化と地政学の揺らぎが続く限り、「どのクラウドが最も“説明可能”か」を競う局面が長期化しそうだ。
参考・出典
- アマゾン、欧州内データ保管のクラウドサービス開始 デジタル主権巡る不安解消へ|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
- Policymakers, customers and partners welcome the launch of the AWS European Sovereign Cloud
- Announcing initial services available in the AWS European Sovereign Cloud, backed by the full power of AWS | AWS Security Blog
- AWS establishes new German corporate presence to advance European sovereign cloud | TechCrunch
