バングラデシュ西部クシュティア県で霊的指導者襲撃死、施設も放火

バングラデシュで宗教指導者が集団リンチ死 政変後も続く私刑の連鎖

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バングラデシュ西部クシュティア県ダウラトプル郡フィリプナガル村で4月11日、地元で「ピル」や霊的指導者と呼ばれていたシャミム・レザ・ジャハンギル氏が、宗教感情を害したとの非難を受けた群衆に襲われ、死亡した。地元複数メディアによると、現場では同氏に関係する施設も破壊され、放火された。

SNSで再拡散した過去動画が発端となり、宗教侮辱の非難が急速に拡大

各紙の報道では、発端はジャハンギル氏の過去の発言を収めた古い動画が10日ごろにSNS上で再拡散したことだった。動画をきっかけに、同氏が宗教を侮辱した、または宗教感情を害したとの批判が広がり、翌11日の襲撃につながったとされる。

The Daily Starは、家族側が問題の発言はイスラムそのものへの攻撃ではなく、コーランの解釈に向けた批判だったと主張していると伝えた。ただ、現地ではその説明が受け入れられず、疑惑が暴力の口実として拡散した構図が浮かび上がる。

今回の事件は、個人への暴行にとどまらず、関連施設の破壊と放火を伴った点でも深刻だ。宗教侮辱の疑いが持ち上がった際に、手続きや捜査を待たず群衆が制裁に走る危うさがあらためて示された。

事件後も訴訟提起や逮捕は確認されず、政変後に続く私刑問題が改めて露呈

New Ageは13日朝の時点で、事件発生から24時間以上が過ぎても訴訟提起や逮捕が確認されていないと報じた。殺害に加えて施設への襲撃まで起きたにもかかわらず、初動対応の遅れが伝えられていることは、法執行の弱さへの懸念を強めている。

バングラデシュでは2024年8月の政変後も、群衆による私刑や宗教や少数派をめぐる襲撃が続いている。APは2026年2月、ヒンドゥー少数派への攻撃増加や分極化の再強化、イスラム主義勢力の再浮上、免責の風潮を指摘していた。HRSSやOdhikarの集計を引用した各紙も死者増加を伝えているが、件数と死者数の表記には報道間で差がある。

ジャハンギル氏の殺害は、SNSで再拡散した古い動画が短期間で集団暴力に転化し、現場の破壊や放火、事件後の捜査停滞へと連なった。今回の焦点は、発言内容をめぐる解釈の違い以上に、疑惑だけで私刑が実行され、その後の司法対応も鈍いままだという現実にある。

参考・出典

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