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自動ドアが静かに開き、黒い影が滑り込んだ。2025年11月4日 9:50ごろ、青森県西目屋村の村役場にクマ1頭が侵入した。ロビーまで達したが事務室の扉で行き止まり、向きを変えて正面玄関から外へ。けが人や建物被害は確認されず、村は当面、出入り口の運用を見直すとしている。
玄関の自動ドアからロビーへ、足早に
村の説明では、クマは1階の正面玄関の自動ドアを通り、内部の自動ドアも抜けてロビーに入った。奥の事務室入り口にあるガラス扉にぶつかったが開かず、追い立てられる前に自ら引き返し、再び正面から外へ出て北側へ走り去った。侵入から退出までの一連の様子は防犯カメラにも記録されたという。
当時、庁内では1階のドア付近で何かが複数回ぶつかるような音がした。異変に気づいた職員がロビーへ向かうと、黒い姿が出口に吸い込まれていくのが見えた。体長は約50cmの子グマとみられ、人や机に接触することはなく、走り去るまでの時間は短かったとされる。
けが人なし、当面は手動運用に
この時間、庁内には職員およそ30人と来庁者数人がいたが、いずれも無事だった。建物の損傷も見当たらず、事務室の扉に痕跡が残った程度にとどまった。村は安全確保を優先し、正面玄関の自動ドアを当面手動に切り替え、出入りの管理を強める。訪れる人には職員が近くで声をかけ、動線の混雑を避ける対応をとる。
あわせて、周辺の小学校や保育園、役場周辺の公共施設に注意を呼びかけた。村内パトロールを強化し、広報車での周知も行う。目撃が続く今季の状況を踏まえ、誘引物の管理や見通しの確保といった基本策を丁寧に繰り返す方針だ。役場の窓口は通常通り開くが、入口での案内はしばらく手厚くなる。
村に広がる警戒、続く目撃の中で
村では近頃、野生動物の目撃情報が相次いでいるという。それでも、庁舎内への侵入は珍しく、役場の職員は「役場に野生動物が入ったなんて聞いたことがない」と驚きを隠さなかった。今回の個体は小さく、人影を避けるように去ったが、母グマが近くにいる可能性もあるため、現場では接近を避ける行動が徹底された。
白神山地に隣接する地の利は、自然の豊かさと暮らしの近さを同時に映し出す。村は入口の運用や巡回を見直し、まず目の前の安全を確かめる段取りを積み上げる。玄関の扉はいつも通り開くが、内部では足音や気配に敏感になる時間が続きそうだ。ロビーの静けさの中に、ささやかな警戒が宿っている。
