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モニターのローソク足が伸びては息をつく。週明けの市場でビットコインが強い買いを背に高値圏にとどまり、前日の勢いを引き継いだ。5日に初めて12万5,000ドルを突破し、6日も高値圏を維持。年初来の上昇率は33％超となり、暗号資産が再び主役に躍り出た格好だ。誰に有利なのかという問いが、相場の熱とともに浮かぶ。
数字が映す強さと歩み
現時点で確認されている範囲では、5日にビットコインは史上初めて12万5,000ドル台に乗せ、12万5,653.32ドルまで急伸したと伝えられている。6日も12万5,000ドル前後で推移し、上昇の勢いは途切れていない。年初来の騰勢は33％超に達し、株や金と並ぶ資産選好の受け皿として存在感を強めていると映る。
国内の暗号資産メディアも、新高値の更新を丁寧に追っている。5日13時45分ごろには12万5,750ドル前後の高値をつけたとの観測が出ており、取引所や算出時間の違いがわずかな価格差を生んだ格好だ。いずれにせよ、節目の12万5,000ドル突破は確定的で、相場心理の節目を越えた重みがにじむ。
この間、値動きは荒いが方向は一貫して上向きだ。週末の薄商いを突く買い上がりだけでは説明しきれず、需給の地合いが変わっている気配がある。短期の利益確定をこなしつつ、高値圏での滞留時間が延びていること自体が、押し目待ちの資金を呼び込む好循環を示唆する。
資金の流れと政策の追い風
背景には、機関投資家のフローが太くなったことがある。現物ETFの普及で参加窓口が広がり、資産配分の中でビットコインに一定の枠を設ける動きがじわりと浸透している。米政権の暗号資産に前向きな姿勢も追い風とされ、伝統金融との結節点が増えるほど、資金の行き来は滑らかになっていく。
一方で、為替や金利、地政学といった外部環境も複雑に絡む。国内メディアは円建てでも連日高値を更新した局面を伝え、為替の振れが投資家の体感温度を左右したと示唆する。価格の数字だけでなく、どの通貨で、どの時間帯に、どの市場を経由したのかというレンズが、相場の立体感を与える。
需給の裏では、長期保有者の売り圧力が限定的であることも指摘されている。新規の買い需要が厚く、既存保有者の売りが薄いとき、相場は一段高になりやすい。もっとも、過熱が進めば調整の波も早い。高値圏での出来高や建玉の偏りを見極める視線が、次の一手を左右するとみられる。
「ハードルレート」という挑発と12週間
投資家の心理を代弁するかのように、著名投資家アンソニー・ポンプリアーノ氏は書簡で「ビットコインはハードルレートだ。上回れないなら買うしかない」と記した。伝統資産の期待収益率に挑む存在だという宣言であり、強気相場の自己強化的な物語に火をくべる。
同氏は向こう12週間がビットコイン保有者にとって「非常に興味深い時期」になるとの見方も示した。具体的なイベントの羅列ではなく、需給と制度面の地ならしが進む中で、価格形成が次の段階へ移るという含意だろう。偶然か必然か、四半期の節目と年末資金の動きが重なるタイミングでもある。
強い言葉は市場を加速させるが、検証の目は冷静だ。高値を追う相場で最も問われるのは、資金の持続性とボラティリティへの耐性である。誰が買い、誰が売るのか。リスク管理を前提に、数字と物語のせめぎ合いを見つめる12週間が始まったといえる。
