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BYD Japan GroupがJapan Mobility Show 2025で、日本の軽自動車規格に合わせた軽EVプロトタイプを世界初公開する。海外専用設計としては同社初で、ブレードバッテリーを搭載。脱炭素の旗印「地球の温度を1℃下げる」を具体化する挑戦として、会場での姿が注目を集めそうだ。商用車では移動オフィス仕様の新提案も持ち込むという。
軽EVプロトタイプが映す「日本仕様」の本気
公開が迫る東京ビッグサイトのホールでは、静かな期待が膨らむ。BYDが初めて海外専用設計と位置づける軽EVプロトタイプは、日本の狭い路地や駐車事情を意識したサイズ感で、日常の機動力を変える存在になり得る。軽自動車の文脈でEVがどう再定義されるのか、会場で確かめたい視線が集まっている。
心臓部には同社の最新バッテリー技術「ブレードバッテリー」を採用するとしている。衝突・熱安定性に強みを持つとされる電池パッケージを、軽規格の車体にどう落とし込むかは技術的な見どころだ。航続や充電性能、車内空間の使い勝手がバランスよく収まっているかが、都市型モビリティの鍵を握ると映る。
今回の軽EVは「参考出品」とされ、市販前提の最終形ではない。現時点で確認されている範囲では、詳細なスペックや発売時期は公表されていないが、海外専用設計という踏み込みは、同社が日本市場に合わせた最適解を探る意思表示と受け止められる。理念「地球の温度を1℃下げる」を、日本の街角でどう体現するかが焦点だ。
商用車に宿る「働く場所」の刷新、J6リビングカーの提案
商用車では、小型EVバス「J6」をベースにした「J6リビングカー」を日本初披露する。移動オフィスとしての機能に加え、災害時の一時避難にも活用できるコンセプトで、車内の時間価値を最大化する設計思想がにじむ。内外装に手が入り、長時間の滞在でも疲れにくい照明やレイアウトが与えられたとみられる。
地方出張や現場常駐の多いチームにとって、電源・通信・収納がワンパッケージ化された可動する「ワークハブ」は強力だ。災害多発の日本では、平時の業務車両が非常時に避難・情報拠点へと役割を変える設計価値も大きい。ビジネスの継続性を車両側から担保するという考え方が、次の標準になり得る。
ビジュアルは10月29日に公開予定とされ、内装の可変モジュールやシートアレンジがどこまで練られているかが注目点になる。固定設備を持たない柔軟な働き方が広がるなか、車両自体を「場所」にする発想は、自治体や企業の備えを変える。移動×電動×空間設計の掛け合わせに、商用EVの新しい風が吹く。
13台の大展開とステージ演出、会場で体感するBYDの現在地
今回の出展は乗用8台、商用5台の計13台とされ、前回を大きく上回る規模感で臨む。ワールドプレミアやジャパンプレミアを複数含む構成といい、電動化の裾野を横に広げる布陣が見えてくる。軽EVの参考出品と商用の新提案を両輪に、生活と仕事の接点へ踏み込む姿勢が際立つ展示といえそうだ。
ブースでは、ハイパーEV「YANGWANG U9」が音楽に合わせて動く「Dance Showtime」を実施する。四輪独立制御やサスペンション制御を誇示する演出は、技術の“体感”を狙うものだ。さらにダブルダッチパフォーマーHARIBOWとのコラボステージや、商用車の技術を解説するミニステージも予定され、賑わいが広がっていく。
一般公開は10月31日から11月9日まで、会場は東京ビッグサイトと案内されている。会期中は混雑が見込まれ、実車確認やステージ観覧の時間配分が鍵になりそうだ。BYD Japan Groupの特設サイトでは詳細が順次公開される見通しで、来場前に最新情報を押さえておくと、展示体験の解像度が上がるはずだ。
