カンボジア内務省 タイ国境戦闘で避難者51万8611人と発表、空爆など理由

カンボジアで避難者52万人、タイ国境戦闘が2週間

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カンボジア内務省は2025年12月21日、タイとの国境で約2週間続く戦闘で、国内の避難者が約52万人に上ると発表した。内務省は砲撃やロケット攻撃、タイ軍のF-16による空爆などを理由に挙げた。タイ政府も国内で約40万人が避難しているとしており、前線の揺れがそのまま生活基盤の揺れになっている。

「逃げる場所」を確保しても、日常は戻りにくい

避難は自宅から離れるだけでは終わらない。内務省は、住民が家や学校から退避を余儀なくされ、深刻な困難に直面していると説明した。避難所は受け入れ人数の拡大が急務になる一方、衛生、医療、子どもの学びなど、積み残しが同時に増えていく構図だ。

国境の町では、人の移動が滞ること自体が打撃になる。Reutersは12月16日、主要な国境拠点の一つであるポイペトの検問所が閉鎖され、タイ側が最大6,000人規模の帰国支援を進めていると報じた。戦闘の長期化は、避難者だけでなく、往来と商いで成り立つ地域の呼吸も止めかねない。

外交の「時間」と、現場の「時間」のずれ

沈静化に向けた議論は、きょう12月22日に動く。Reutersによると、ASEANはマレーシア主導で外相級の会合を開き、対話の枠組みを再び機能させる道を探る構えだ。停戦という言葉をめぐる言い回しの違いも含め、合意の作り方そのものが試される局面になる。

ただ、現場は外交日程を待ってくれない。AP通信は、タイ側の攻撃がカンボジア国内のより深い地点に及び、避難施設に近い場所も危険にさらされていると伝えた。国連のグテーレス事務総長も12月8日、民間人保護と人道支援の確保を求め、10月26日にクアラルンプールで署名された共同宣言の枠組みに戻るよう促した。まず守るべきは、境界線ではなく、逃げ続ける人々の安全だ。

参考・出典

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